のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

やる気を出したいなら、まずは僕を褒めてくださいよ!

仕事から意味を奪うのは、驚くほど簡単ことなのだ。

 

あなたが管理職で、なんとしてでも部下のやる気をなくしたいのなら、部下の見ている目の前で、かれらの労作を粉砕すればいい、もうちょっとさりげなくやるなら、部下を無視したり、がんばっている様子に気づかないふりをするだけでいい。

 

逆に、同僚や部下のやる気を高めたいなら、かれらに気を配り、がんばりや骨折りの成果に関心を払うことだ。

 

「不合理だからうまくいく」

ダン・アリエリー

P111から引用。

 

全ての管理職が、一日一回この言葉を暗唱すべきである。

 

人が、やる気を出す理由は極めて単純で。

・褒められれば

・認められれば

・評価されれば

人は、基本的にやる気になります。

 

逆もまた然り。

評価のない所にモチベーションは生まれない。

やる気を高めるなら、評価をしろ。

史上稀に見る天邪鬼ではない限り、やる気を出すはずである。

(それに、並の天邪鬼は口では否定しても、褒められると嬉しい)

 

僕自身も諸々の経験があって。

 

僕は今、平社員なので。

先には係長→課長→部長がいて。

例えば、係長に報告をして、係長が課長にその報告を上げないと、

やる気がなくなる。

あ、先には繋がらないのね、と思って。

 

出世のみを望むわけではないのだけど。

承認欲求は人を安心させるのである。

パフォーマンスを最適化するには、きちんと評価するのが肝要にて。

チームの力を最大限に引き出すものは、

評価すべき事を褒める、

との究極にシンプルな事であろう。

 

さて、そんな当たり前のようでいて、人々が気づかない事を、行動経済学との学問にて紹介してくれる本。

 

「不合理だからうまくいく」

ダン・アリエリー

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最近、ダン・アリエリーさんの本ばかり紹介している気がするが。

オススメしたくなるような内容が多く、

新しい知見を得られるので、オススメである。

 

本書の中では、様々な実験結果から褒めると云々との結論を出す。

褒めれば伸びる、なんて話はありきたりであり、

本書の優れているのは結論に達するまでのユニークな実験である。

 

ちなみに、褒めると〜の考察では。

おもちゃのレゴを組み立てもらう実験で、

被験者に組み立ててもらったレゴを、

 

目の前で

①壊す

②壊さない

で実験結果を得ている。

 

組み立てたレゴを目の前で破壊されたら…

レゴ好きの子供だったら決して癒えぬトラウマになる。

大人だったらやる気を失うのも頷ける。

 

ただの一人であっても、評価してくれる人がいるのは嬉しいもの。

・褒められる。

・認められる。

・信頼される。

上記の行動は、人をやる気にさせるマジックワードである。

 

後輩やら、部下やら。

僕自身がかのような関係を結ぶ人がいるならば。

その事を噛みしめながら接したいと思う。

 

木漏れ日の暖かな春に読みたくなるような小説 「カラフル」森絵都

「カラフル」

森絵都

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あらすじを引用

「おめでとうございます! 抽選にあたりました! 」

生前の罪により輪廻のサイクルからはずされたぼくの魂が天使業界の抽選にあたり、 再挑戦のチャンスを得た。

自殺を図った中学三年生の少年、小林真の体にホームステイし、 自分の罪を思い出さなければならないのだ。

ガイド役の天使のプラプラによると、父親は利己的で母親は不倫しており、兄の満は無神経な意地悪男らしい。

学校に行ってみると友達がいなかったらしい真に話しかけてくるのは変なチビ女だけ。

絵を描くのが好きだった真は美術室に通いつめていた。

ぼくが真として過ごすうちに、しだいに家族やクラスメイトとの距離が変っていく。

モノクロームだった周囲のイメージが、様々な色で満ちてくるーー。

高校生が選んだ読みたい文庫ナンバー1。

累計100万部突破の大人も泣ける不朽の名作青春小説。

 

読書感想文の題材になる事が多いようで。

ネット検索すると文例を多く見た。

それだけ定評を得ている作品である証拠であろう。

傑作であると思う。

 

冒頭を引用する。

死んだはずのぼくの魂が、ゆるゆるとどこか暗いところへ流されていると、いきなり見ず知らずの天使が行く手をさえぎって、

「おめでとうございます、抽選に当たりました!」

と、まさに天使の笑顔を作った。

 

この書き出しには、グッと心を掴まれる。

 

では、抽選に当たるとは何か?

 

天使の言い分によると、

・貴方は前世で大きなあやまちを犯した魂である

 (ただし、あなたは過去の記憶を失っている = 何を犯したかわからない)

・本来なら輪廻のサイクルから外れてもう二度と生まれ変われない

だが、

・貴方は抽選に当たったラッキーソウルです!

・そのため、再挑戦のチャンスがもらえます!

との事。

 

再挑戦のチャンスってなんだよ?

と言うと。

・現世で誰かの身体を借りて生活をする

・天使の世界ではそれをホームステイと言う

・ホームステイが順調に進むと、ある時点で過ちの記憶を取り戻す

・そして、輪廻のサイクルに戻る(めでたしめでたし)

なのだとか。

 

冒頭の5ページ。

この物語設定が、実に軽妙に語られる。

 

僕は、本屋さんで小説の冒頭を立ち読みはしないのだけど。

読めば絶対最後まで読みたくなる事は間違いなく。

騙されたと思って、冒頭だけでも読んで欲しいもの。

 

では、あなたのホームステイ(魂が仮に戻る先は?)

と話が展開し、

小林真くん、たる

"3日前に服毒自殺を図った少年"の中に魂が戻るのである。

 

かのような経緯で、

主人公である"僕"は小林真くんとしての生活を始める。

いわゆる、ホームステイ、である。

 

物語は、なぜ、小林真くんが服毒自殺を図ったか?

との、謎が少しずつ紐解かれる中で進む。

もちろん、彼が自殺したのには理由があり。

周囲の環境も含めて、シビアな問題を抱えている。

 

もちろん、"僕"は罪を思い出す事が第一優先なのだが。

小林真くんとしての生活をする中で、苦しんだり喜んだり・・・。

この続きは読んでみてのお楽しみ。

 

春のある晴れた日の公園で。

彩りに包まれる。

新緑が太陽の加減によって表情を変える。

色彩豊かな花々が咲く。

太陽の明るさが全てを包み込む。

そんな情景を愛おしく思える気持ち。

・・・

本作を読んで、そんな事を思った。

木漏れ日の暖かな春に読みたくなるような小説です。

人間とは、自分が正しいと思い込む生き物である。

多かれ少なかれ、

人間とは、自分が正しいと思い込む生き物である。

と、

僕自身は常々考えるようにしている。

人生における人間関係をできるだけ円滑に回せるように。

 

それは、

・相手側

・自分側

の両者の視点において同様の事で。

 

どちら側も"自分のやっている事は正しい"と思うから、争いが生まれるのであって。

片方が、自分間違ってます、と宣告した時点で、大抵の場合は場は収まる。

 

"いや、僕は自分の間違えを認めた事があります!"

と高らかに宣言する人もいるだろう。

僕自身だって、

"すいません、僕が間違ってました。"

と認めた事はいくらでもある。

 

ただ、見方を変えると

"間違えを素直に認めている自分は正しい。"

と考えている部分もある、と思う。

穿った考え方かもしれないが。

僕自身はそう感じる事が多い。

 

人間は思い込みに弱い生き物で。

脳科学の本を読むと、

いかに記憶が曖昧に形成されているのかがわかる。

(その点の説明は今回省くが)

 

例えば、刑事事件における目撃者の話でもよく言われる事で。

あの人が犯人に違いない、と思っていると、

些細な事が怪しく思えてくるものである、とはよく言われる事である。

 

さて、

"自分が正しい"と思うとの観点で、言葉に出す意味、についての考察。

行動経済学の本を読んでいて気になったので紹介する。

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紹介されていたのは下記のような事である。

 

医者が、とある薬の宣伝のため、講演会で効能について語ったとする。

宣伝は、自分の主張ではなく、

他者からの要請で便宜を図っての宣伝である。

 

本人としては、

オススメの薬、とは思っていないけど、便宜を図っての紹介なのであるが。

講演を重ねていくと、オススメの薬であるように思えてくるとか。

 

その心理的な動きは。

自分が紹介する薬なのだから良いものに違いない、との考え方。

自分の言葉を信じていく = 正しいと思いこむ、のである。

 

そこから学ぶべき事はなにか?

自分が言葉を発した事は、少なからず、正しいと思い込む方向にバイアスがかかるとの事。

なので、例えば、"俺はあいつの事が嫌いだ。"と本心抜きに考えたとしても。

自分の発言に影響を受けて、

だんだん嫌いになる(嫌いになるための事実を集め出す)可能性はある、との事。

 

口は災いの元、とはよく言ったもので。

自らの戒めにすべき事である。

 

 

 

人生には、目的地なんてない。

人生には、目的地なんてない。

例えば、プロのバイオリニストを目指す人が、

プロになるために、今の曲を弾いているか?

 

人生は、

点ではなく線であるとの幻想。

線であると、考えるから、今が辛い時もある。

 

点で考えてみて。

 

ある舞台で、

スポットライトを浴びているイメージ。

そこには、過去も未来も存在せずに、

今だけがある。

 

これは、アドラー心理学の本を読んだ時に僕がメモした事である。

 

刹那的な考えであっても。

人は時にそれに救われる事もある。

 

確かに、

プロのバイオリニストを目指す人が、

プロのバイオリニストを目指すために目の前の曲を弾いているとするならば、

その曲は心に届かない、

と言われたとしても、不思議な事ではなく。

 

例えば、恋人と一緒に過ごしているとして。

貴方は、

恋人と結婚するために一緒にいるのではなく。

恋人と時を過ごしたいから共にあるのである。

 

着目すべきは、今。

過去は変わらないし。

未来は必ずしも今の延長線上ではない。

今が例え、どんな状況であったとしても。

未来は一変するし、何様にも変化する。

 

人生は色々な苦難があって。

挫けそうになる事もあるけれど。

自己啓発本の金言は時に人を勇気付ける。

 

そういう言葉に出逢えることは幸せである、と今更ながら思うのである。

 

お金が絡まない方が人は熱心に働くものである。

お金が絡まない方が人は熱心に働くものである。

と言われれば、嘘つけ、と思う。

 

大抵の人は給料がなくなれば出社すらしない。

それに、給料が上がれば仕事のやる気も充実する。

だから仕事ができるヤツは出世して給料が上がるのである。

 

ただ、よく考えると。

それは、お金をもらう前提の中での話であり。

その中でもらった方がやる気になるのは当たり前で。

 

そもそもの前提を

・お金をもらわない

・お金をもらう

の二択で考えた時、どちらが熱心であるか?

確かに、前者かも知れない、とは納得する。

 

確かに言われてみると、

僕自身が働くのは生活のため止むを得ずの部分もあり。

じゃあ、

・自発的にボランティアで瓦礫を片付けた時

・嫌いな上司に命令されて瓦礫を片付けた時

どちらがモチベーションありますか?

と問われれば、

間違いなく前者。

ボランティアで動いた方が、人はやる気になる。

 

との話を紹介してくれているのがこの本。

「不合理だからうまくいく」

ダン・アリエリー

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まぁ色々な実験結果はあるけれど。

より良い給料を求めて人は転職するのも事実だけど。

 

 

感情のままに決定をすべきではない!

感情のままに決定をしてはならない。

何故なら、

・感情は忘れるが。

・決定は残るから。

そして、残った決定が、後々の感情を束縛するから、である。

 

もっと詳細に言えば。

 

感情は必ず、霧散する。

これは誰しもが経験のある事で。

あの時、何故あそこまで感情的になったのか?

と後悔した事は誰しもある、と思う。

 

今になって思えば、

あそこまで感情的に行動しなければ良かった、と、

冷静さを取り戻しても後の祭り。

理屈では説明できないが、感情とはそういうものである。

 

感情と行動は切っても切れない縁であるのは皆納得すると思うが。

あくまで、

・感情が行動を生み出す

が基本であり、

逆に、

・行動が感情を生み出す

もしくは。

・行動が感情を決定づける

との見方は初めて知った。

 

ダン・アリエリーさんを読んだのは二作目

相変わらず、素晴らしい知見を得られる。

「不合理だからうまくいく」

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話を戻す。

"行動が感情を決定づける"、とは何か。

 

具体的に。

貴方が感情的に何かを決定づけたとする。

(まぁ、話はなんでもいいのだが)

例えば、

・夫が皿洗いもせずに、ぐうたら寝ているシーンを見て、イライラしている時に。

・夫が"社員旅行に行って来てもいい?”と聞いたとする。

貴方は言うまでもなく、

感情的になっていて、

"ふざけるな、社員旅行なんてダメに決まっているでしょ"

と告げたとする。(行動)

 

社員旅行を純粋に評価したわけではなく。

貴方は、皿洗いをしない夫にムカついただけなのだとしても。

・皿洗いをしない夫にムカついた事は忘れる

・でも、社員旅行を却下した事は忘れない

 

そうすると、どうなるか。

社員旅行を拒否した理由を後付けする、のである。

つまり、皿洗いをしなかった事にムカついていた事を忘れて、

社員旅行=悪。

次の社員旅行も断ろう、との思考回路が働く。

 

そうなると、旦那は永遠に社員旅行に行けない。

皿洗いをしなかった事が原因だが。

妻は皿洗いでイライラしていた感情が霧散するので、理由はわからなくなる。

 

皿洗いにイラついたから断ったにも関わらず。

皿洗いでイラついた事自体を忘れてしまうので、何故断ったかを忘れてしまう。

ただ、社員旅行を却下したのだから、それなりに理由はあるだろう、と考えるのが人間で。

適当な理由をつけて、

いつも飲み会で楽しんでいる奔放な夫なのだから、社員旅行なんていかせるわけにはいかない。

との思考回路になってしまうのである。

 

感情の結果、行動すると、

将来的に行動を狭める可能性があるのである。

 

願わくば、社員旅行ぐらい許してくれる妻を娶りたいもの。

日本酒は燗、常温で保存

読む本、読む本、"燗"をオススメしてくる。

日本酒の話。

 

まず、"燗"とは?

日本酒を徳利に入れ、適度にあたためること。

 である。

つまり、温かい日本酒である。

 

日本酒とは、とかく冷やすイメージはあって。

まぁ、寒い日だったら、温めても良し、程度の認識で今まで。

ただ、最近、読んだ日本酒の本で完全に覆された。

日本酒は"燗"である、と。

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"熟成"たる考え方が肝要である。

いい酒は熟成させてからこそ、旨くなる、と。

 

諸々の通念として、"鮮度が良いもの = 美味い"との考え方は全てに通じるものではなく。

日本酒も同じである、と。

 

日本酒において、"できたてホヤホヤなものが流通すると"生酒"と呼ばれる。

 

僕自身、"生酒"と言われれば、新鮮なのだから美味しいに違いない。

"要冷蔵?絞りたては違うな〜"

と思い喜んで購入したものである。

・・・

が、過去に読んだ2冊の日本酒フリークが書いた本には、

熟成が大切である、激烈に語れていた。

※生酒自体にも面白いものはある、との立場を認めた上で語られているのが良い。

 

そこまで言うなら、と、

いざ、"燗"で日本酒を味わってみると・・・

ふわぁ、と味わいが広がる。

なるほど、これが日本酒の味わい。

良き良き、とほろ酔い気分で上機嫌。

 

さて、

「世界一旨い日本酒」

との本には、

以下のような一文が紹介されている。

栓を開けて、さらに日数が経つたびに旨くなる酒。

これが最高にいい造りの酒である。

本書で紹介している銘柄は口開けをして一週間、二週間、さらに一ヶ月と味乗りして、美味しくなる。

口を開けてから半年放置したものを飲んで、その美味しさに驚いたこともある。

 

本書の中では、しっかりとした造りの日本酒は開栓した後も、

常温で保存すれば良い。

むしろ、常温保存でより美味しくなる。

と語られる。

 

んな、あほな。

と思いつつ。

常温で今、純米酒が3日目を迎えようとしております。

知らぬ事も多く、世の中まだまだ楽しめます。