のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

「若冲」 澤田瞳子

蓮の花が泥濘から咲き出るが故に麗しいが如く、美しきものは、決して高潔清高なる魂からのみ生まれるわけではない。 本文から引用。 「若冲」 澤田瞳子 本作のテーマは若冲の絵はどのようにして生まれたのか?である。 上記の引用はそのテーマを考える上で重…

「ストーナー」人生の小説

小説は人生を豊かにするものだと思っています。 非常に月並みな表現で恐縮ですが。 人生を知る、小説にはそういう効果があります。 僕が人生において、衝撃を受けた小説。 夏目漱石の「こころ」 高校時代の夏。 かくも深甚な悩みを赤裸々に語る主人公に衝撃…

「代償」 伊岡瞬

夢中になる読書はいつだって楽しい。 基本的に、僕は本を読み始めてからノンストップで最後まで読み切る事は少ない。 (というか、多くの人がそうだと思う。) 読み終わるまで何日か経過するのが普通だ。 ただ、時に。 生活の中心を完全に読書に奪われる作品が…

「蜜蜂と遠雷」 恩田陸

本屋大賞の作品は面白い。 直木賞の作品は面白い。 なので、本屋大賞と直木賞をダブル受賞した作品「蜜蜂と遠雷」 そりゃ面白いに決まってますよ。 アカデミー賞 全部門受賞作品!!!! みたいな感覚だと思いますがね。 「蜜蜂と遠雷」 著者 恩田陸 音楽の話。 …

蒼穹の昴

広大で壮大。 中国を舞台にした物語は何故、かくも大きいのだろう。 心に強く残る。 「蒼穹の昴 1〜4」 浅田次郎 再読である。 記録によれば2012年に読んでいるので、5年ほど前。 三国志以外の中国小説で最も鮮烈なイメージを残した小説かも知れず。 前々よ…

八海山は青春の味

八海山は青春の味。 大学時代に盟友とよく飲んだが故。 今でも八海山を飲むと、彼の顔が思う浮かぶ。 八海山を飲んで、友の顔を必然的に思う浮かべるのは嬉しい事にて。 モノに思い出が付随した時。 それは大切な宝物になる。 今は遠い地にてお互いの道を進…

美術の楽しみ方入門として〜楽園のカンヴァス〜

絵画はシンプルな見方をすれば良いのよ、と言われた事がある。 基準はただ一つ。 "家に飾りたいか?否か。” 一番家に飾りたいと思った作品が、あなたのお気に入りだから、と。 僕は足繁く美術展に通うようなタイプではないが。 たまに行けば楽しめる。 そん…

「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」

ケネディ大統領暗殺。 誰しもが知るであろう大事件。 1963年11月22日の出来事。 映像で残っているのが衝撃的。 インターネットで検索すれば、決定的瞬間がすぐに見れてしまう。 不可解な点が多く、陰謀説が囁かれているのでテレビでも取り上げられる事が多い…

「イノセントデイズ」〜儚き雪の結晶を抱くような話〜

書店が推している本。 すなわち、流行りの本に手を出したのは久しぶり。 目立つ場所に平積み。 話題であろう事、間違いなく。 著者も内容も知らぬが、読んでみようと思いて手に取った。 日曜日に購入して。 月〜火で読み終えた。 夢中になれる本である事、保…

「マリリン 7日間の恋」

「何を着て寝ますか?」 「シャネルN°5を数滴」 ・・・ マリリンモンローを語る上で有名なやりとりである。 ・・・ 僕は香水に興味はないのだが。 このやりとりで"シャネルN°5"だけは知っている。 (具体的にどんな香りかは知りませんけどね。) 「私は寝る時…

「ミリオンダラーベイベー」

昔、予備知識なしに観て衝撃を受けた。 今回、2回目。 改めて素晴らしい映画と感じる。 多くの人に観て欲しい映画。 全てが丁寧。 「ミリオンダラーベイベー」 "選択"の物語だと思う。 人は誰しも、"選択"をする。 進路、転職であったり。 成功と失敗が50/50…

久しぶりのスティーブンキング「ペットセマタリー」

久しぶりにスティーブンキングの作品を読んだ。 思えば、読書人生の先駆けにいるのがスティーブンキング。 地元の図書館によく置いてあった、との背景もあるが。 紡ぎ出す世界観が好きだった。 彼の作品は大きく二つの分類があって。 ①ハートウォーミング ②…

「ラ・ラ・ランド」〜夢に恋する映画〜

"あれ?俺の小指、骨折してんのかな・・・?" フットサルのキーパーでシュートを止めてから指が痛い。 不味そうな紫芋みたいな色。 友人は・・・ "膨れてシャウエッセンみたいになってるね、焼いて食べれば?笑" と呑気な事を言う。 (心の中で、お前の指が折…

「ハサミ男」〜思わず"え?"となるミステリーの傑作〜

まあ、つべこべ言わずに読んでみてよ、とオススメする作品。 ミステリーの傑作。 「ハサミ男」 殊能将之 ミステリーで明かして良いのは"誰かが死ぬ事"だけである。 それ以上の紹介は蛇足。 犯人を知ってしまったミステリーなんて魚がいない水族館のようなも…

大江健三郎文学の金字塔。〜かつてあじわったことのない深甚な恐怖感〜

大学生時代に読んで衝撃を受けた作品。 再び手に取り、やはり衝撃を受ける。 楽しい小説ではない。 個人的に暗いニュースが多いので。 どうせなら負のベクトルに突き進んでやろうと思った結果、手に取った。 「個人的な体験」 大江健三郎 あらすじを引用。 …

賞味期限とは?なんぞや?

「賞味期限切れだよ!お前は!!!」 独身アラサーにとって。 瀕死のアザラシを砂漠に放り投げるような辛辣な一撃。 言われた事はないが。 被弾している人は見た事がある。 (当然、変な空気になっていた) 世間的に男性はさておき。 女性は特にだろうなぁ。 …

映画「沈黙」

"対価"を追い求めた先に、"愛"はない気がする。 "私はこんなに頑張っているのに、あの人は評価してくれない。" "僕がこんなに色々尽くしたのに、あの人は何もしてくれない。" 相手に対価を求め出すと関係は崩れだす。 愛情に、対価の概念は必要ない、と思う…

リレーの高揚感をそのままSF映画にしたような快感。「ローグワン」

リレーが好きである。 学生時代の運動会リレーでは、がんばれがんばれと地味ながら囃し立てるタイプ。 アンカーまでバトンを渡す。 この"バトンに思いを託す"的な一連の流れが実に良い。 速い人も遅い人も、みんな一生懸命に走るしね。 なお、僕自身はそこそ…

インフルエンザに罹患した友へのレクイエム。

インフルエンザが大流行です。 僕の周りでも二人ほど。 ところで、僕はウイルスがDNAを持っているとの話が好きです。 改めて話すと。 ウイルスはDNAを持っている。 DNAとは、生命の設計図、と言っていて良いもので。 我々からDNAを奪ってしまえば自己複製が…

愛の力で脳の処理速度が早くなるって、実験結果で証明されているそうです。

"愛してる"の響きだけで強くなれる気がしたよ。 スピッツの名曲チェリーから。 愛の力で強くなれる、的なフレーズで唯一思い浮かんだ。 愛によって強くなれる、なんて使い古された話。 西野カナさんの曲とかを探せばいくらでも出てくるのだろう。 ※注) ただ…

「本日は、お日柄もよく」小説家が言葉の力を信じる気持ちを描いた作品

スピーチってのは、様々な場面で重宝される。 そして、上手い/下手に差がでる。 (自分の事は一切、棚に置かせていただいて) 下手で長いスピーチってのは犯罪の領域だと思う。 ポイントは、下手に加えて長い事・・・ 下手なスピーチはヒヤヒヤするだけだが。 …

映画史上で最も愛された悪キャラ?ダースベーダー

ダースベイダー。 映画史上に残る悪役キャラクターの一人であろう。 漆黒に包まれた姿はThe 暗黒面。 初見であっても「こいつ悪い奴だな。」と感覚的にわかる。 ※300年後の人類が見たとしても、悪い奴だな、と思うであろう。 俗に言う"ラスボス感が半端ない"…

逆さメガネをかけると風景は上下逆さまになるが、一定時間で慣れるそうです。

逆さメガネをご存知だろうか? 視覚の全てが上下逆さに見えるメガネである。 いつもの景色が上下逆に見えるのだから違和感があるのは言うまでもない。 僕自身はかけた事はないのだけど。 かけた人曰く、乗り物酔いみたいに気持ち悪くなるそうである。 そんな…

吊橋の上で告白すれば成功率は高いんですよ。(それが理屈でわかる程、脳は単純なヤツなんです。)

"スピード"たる名作映画をご存知だろうか? 知らない人は是非、見て欲しい。 実に素晴らしい映画なので。 概要だけ説明すると。 ①バスに爆弾が仕掛けられる。 ②バスの時速が一定以下になると爆発すると告げられる。 ③スピードを落とさないようにバスが走る。…

単純な脳、複雑な私

脳はバカだと思う。 まぁ正確に言うと。 思っていたよりもバカだったとの話。 "え、そんなもんなの?"と何度思った事か。 さて、自分自身の世界を創り上げているのは"脳"である。 そんな"脳"をバカだと言い切ってしまえば。 それこそ元も子もない話な気がす…

「真田太平記」 池波正太郎

キャンプファイヤーなんてもう10年以上見ていないが。 炎が巻き上がるイメージは鮮烈に覚えている。 後片付けとか、周りにいる人とかではなく。 覚えているのは巻き上がる炎。 他の何を覚えていなくても、炎だけは鮮やかに蘇る。 炎とは。 鮮やかに燃え上が…

脳内の世界には逆らえない?

マンションの一室にいる僕はマンション全体像がわからない。 当たり前の話だが意外と盲点である。 組織の話でもよく言われる。 内部の目だと見えないものも多い。 例えば、他社の人は視点が違う。 内部の限界、とでも言えようか。 自分が属しているものって…

音のない表現

音のない表現において音楽って何なんだろう? そんな事をふと思った。 理由は、音楽がテーマの漫画を何点か読んだから。 前回、紹介した通り、最高の漫画である「四月は君の嘘」 anfield17.hatenablog.com 加えて。 有名な「BECK」 ※現在、読んでいる最中。 …

「四月は君の嘘」〜人生を決めた大切な瞬間の物語〜

人生にはタイミングがあって。 あの時に出逢ったからこうなった、とか。 たまたまお酒が入っている時に、心に染み渡って涙が溢れたとか。 偶然と必然が混ざり合って成り立っていると思う。 紙一重が人生を変える。 誰しも人生を一変させた瞬間を持っていて。…

独り暮らしの要諦は 「鳴かぬなら殺してしまえほととぎす」 である。

今週のお題「2017年にやりたいこと」 独り暮らしの要諦は 「鳴かぬなら殺してしまえほととぎす」 である。 有名な言葉。 日本を代表する戦国武将の性格を端的に表したホトトギス活用術である。 ・「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」豊臣秀吉 ・「鳴か…

高い所は嫌い、でもボルダリングは好きだ。

ボルダリングに挑戦した時の事を書く。 元来、僕は、位置エネルギーを活用する営みがあまり好きではない。 ・学校のスキー教室だって"風邪で欠席"。 ・学生時代のスノボー祭りは"お断り申し上げ"。 ・遊園地は牽制球投げまくり、好きではないアピールを繰り…

2017年にやりたいこと

今週のお題「2017年にやりたいこと」 2017年の始まりである。 あれよあれよと言う間もなく2016年が終わってしまった。 僕は2016年8月頃から一人暮らしを始めたので。 初めてのワンマン年越しとなった。 実家に帰ろうと思えば帰れたが・・・ 一人で年を越す経…

漫画「ちはやふる」 万人におすすめできる少女漫画

漫画「ちはやふる」 be-love.jp まだ15巻ほどしか読んでいないが、実に良い。 万人に勧められる少女漫画。 男が読んで面白い少女漫画は絶品。 「のだめカンタービレ」「ちびまる子ちゃん」と並ぶ傑作の予感。 1巻のあらすじを引用。 まだ“情熱”って言葉さえ…

「武士道セブンティーン」武士道に燃える17歳女子を描いた作品。

本作は、武士道に燃える17歳女子を描いた作品。 磯山香織と西荻早苗の剣道を巡る青春物語である。 「武士道セブンティーン」 誉田哲也 あらすじを引用。 スポーツと剣道の、暴力と剣道の狭間で揺れる十七歳の剣道女子、柔の早苗と剛の香織。 2人は別々の場…

「悪の経典」 あくまでもエンターテイメントとして。

2016年8月に一人暮らし開始。 同時にあまり本が読めなくなった。 原因は通勤時間の短縮。 絶対的な読書時間として確保されていた往復4時間がなくなり。 余剰分の時間は家事と姿を変えた。 本を読んでいると、どうも部屋の汚れが気になってしまう。 霧吹きで…

漫画 「orange」〜登場人物がみんなFacebookやってそう!!!〜

いわゆる、胸キュン漫画である。 同じ穴のムジナで思いついたのは漫画「君に届け」である。 昔、女友達から「これ読んで女心を学びなさい。」と渡された。 これがまたキュンキュン街道まっしぐら。 新幹線の速度で突き進む。 学びよりも、ただキュンキュンが…

「君の名は。」

「君の名は。」 今年の流行り映画は、「シンゴジラ」と「君の名は。」であろう。 珍しく二つとも映画館で観た。 「シンゴジラ」は以前に触れたので。 今回は「君の名は。」について。 予備知識なし。 知人の"観たい"に応え「まぁ、行ってみるか。」程度の気…

キャラクターを愛する「図書館戦争」

無鉄砲。 意味は・・・ 是非や結果を考えずにむやみに行動すること。また、そのさまや、そのような人。むこうみず。 意味合いと字面から、鉄砲も持たずに暴力団の巣窟に飛び込む人的なニュアンスが語源だと思っていたのだが、そうでもないらしい。 無手法か…

ビールの歴史について

少なくても5,000年前にはビールが存在していた!? と疑問形で書いてみたが。 本にそう書いてあっただけである。 人類最古のビールに関する記録。 モニュマンブルーたる石板があるらしい。 紀元前3,000年頃メソポタミアのシュメール人によって記されたとか。…

独り暮らしに関する考察。

独り暮らしを始めたんですよ。 これが2016年の主な出来事である。 気づけばもう5ヶ月目になろうとしている。 振り返るには充分。 ここはいっちょ思う所を綴ろうではないか。 先に、僕自身の話をすると。 実家暮らしは実に快適であった。 特に、両親とも仲が…

話題作 「シンゴジラ」"映画自体の思い出"と"観終えた後に各シーンへのツッコミを肴に酒を煽った"のが同等に思い出深い。

持論であるが。 話題作ってのは、本作が面白かろうが、つまらなかろうが、観る価値がある。 僕自身は、時の潮流に乗るタイプの人間ではないのだけど。 面白いかどうか?は自分の目で判断したい。 それにしても、話題作は、斜に構えてしまうから大変。 "みん…

映画「この世界の片隅に」

本当に大切なものを前に言葉を失う時がある。 言葉にすると大切なものが溶けてしまうような感覚。 自分の外に出す事で、漏れてしまうかのような・・・。 とある映画を観て、昔の出来事を思い出した。 昔、ランニングをしていたら、たまたまホタルを見かけた…

漫画「喰う寝るふたり住むふたり」

「喰う寝るふたり住むふたり」 日暮キノコ 珍しく漫画を取り上げる。 全5巻。読み切り感があるのが良い。 同棲をする男女を描いた作品である。 それも、交際10年、同棲生活8年目・・・ それでいて、未婚!!! ここがポイント。 つまり、もうずっと一緒にい…

「キネマの神様」原田マハ

"この小説を読み終わると、映画館に行きたくなります。" これは一つの小説を例える上で、最大の賛辞ではなかろうか。 映画館に行きたくなる小説。 もしくは、映画が好きになる小説。 大げさではなく。 本の最後のページを読み終わった瞬間に、映画館へ足を向…

映画 「怒り」 信じるとは、苦しい事

"信じる"とは、とても辛い事だと思う。 "信じる"とは、苦しくて重い・・・。 誰かを本気で信じた事があるか? たとえ、何があっても、受け入れられるような。 そんな風に人を信じた事があるだろうか? ・・・ この映画を観て、そんな事を思った。 「怒り」 …

さよならの握手、残る手の温もり「ツナグ」

もう一度、手をつなぎたい・・・ それが、最後であろうとも。 つないだ手をまた離さなければならないとしても。 最後にもう一度だけ。 さよならの握手・・・ かすかに手の温もりが残る。 そんな風に心に残る小説である。 「ツナグ」 辻村深月さん 一生に一度…

独り暮らしを始めました。

独り暮らしを始めました。 結果、ネット環境を失い、ブログの更新が滞りまして。 ようやく状況が変わったので、再びブログを再開したいと思います。 独り暮らしをして両親のありがたみを知る、とよく言いますが。 僕自身は、そんな事を独り暮らしをする前か…

健気であるのは良い事です。「あかんべえ」 宮部みゆき

"とにかくおもしろい。" 宮部みゆきさんの作品は、必ずそう言いたくなってしまう。 物語に没入させるのが巧み。 気づくと、物語の中に自分がいる。 小説の醍醐味は、この没入感である。 本書は、江戸時代の料理屋「ふね屋」が舞台。 「ほうほう、江戸時代の…

手紙で読む嫉妬劇 「レター教室」 三島由紀夫

豪奢な文章といえば、僕は三島由紀夫さんを思い浮かべる。 金箔を塗したようなものではない。 まさに純金の華やかさと重さが三島由紀夫さんの文章にはある。 文章を評するのは恐れ多いのだが、そんな感想を抱いてきた。 ゆえに、三島由紀夫さんの本を読むに…

人類の遺伝子は5,000年前頃からバリエーション豊かになったそうである。

人類の遺伝子は5,000年前頃からバリエーション豊かになったそうである。 何も考えなければ"そうなんだぁ"で終わる話なのだが。 話は、そう単純ではない。 考えていると、生命のあろうとする姿と人類の倫理的な葛藤に達する。 まず、遺伝子について。 バリエ…