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のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

「おこらないこと」アルボムッレ・スマナサーラ

シンプルな思想は美しい。

思想を推敲して推敲して、残ったものを大切な贈り物のように伝える。

 

本書を読んで、問う。

「で?要するに何なの?」

一言で「怒ることをやめなさい」って事。

ああ、とてもシンプル。

 

もし、あなたが怒りから解放された人生を送っているのなら、本書を読む必要はないと思う。

ただ、もし、あなたの日常に怒りが潜んでいて極力怒りを鎮めて生きていきたいと思っているのなら、読む事をお勧めする。

 

本書は、まず、怒りを徹底的に否定する。

 

端的に。

怒りとは毒である。

身体全体を支配する毒である、と。

自ら毒を飲み干す人はいないでしょう?

じゃあ、怒るのもやめたほうがいいですよ。

 

The 正論。

本書の良い所は、正論をミルフィーユの様に何枚も重ねて思想の厚みを増していく事である。

読むにつれて、怒る事は人生において無益である事がわかってくる。

 

そうはいっても・・・と思うだろう。

ただし、繰り返されるシンプルな正論に勝るものはない。

次第に、確かに怒っても得はないなぁ、と思うようになる。

この温かみに溢れた説得力こそ、本書の最大の魅力であろう。

 

例えば、僕が、"怒らないほうがいいよ"と言うのに比べて、100倍の説得力をもって諭してくれるのである。

 

こう表現してみる。

この本を例えば、一ヶ月に1回、子供の頃から読み続けたとする。

そうすると、"怒ってはいけない"が、"人を殺してはいけない"と同様の禁忌として扱われる程に、意識の中に刷り込まれるような気がする。

 

ちなみに、本書、ただの理論的な精神論のみではない。

ちゃんと怒らないための方法論も書かれている。

少し、僕なりの解釈も加えているが・・・

 

①怒っている自分を客観的にみる。

試してほしいのだが、怒りを感じた時、"ああ、俺、怒ってらぁ"と心の中でつぶやいてみてほしい。

個人的な体験としては、50%ぐらい怒りは軽減されたような気がする。

もっと言うと、怒りのイメージを具体的に描写して、遠くに飛ばすとか、"怒ってないよ!!!"と自分に言い聞かすのも有効な気がしている。

 

②とかく自分のイメージを大きなものと重ね合わせる。

僕は"クジラ"をよくイメージするようにしている。

怒りがムクムクと邪悪な養分を吸い始めた時、"僕はクジラだ・・・"と思い込むようにしている。

あら、不思議。怒りが霧散する。

 

"正論をふりかざした自己啓発"風の主張をする本はあまり好きではないのだが。

本書に関しては、特に嫌味な部分もなく、すんなりと心に染み渡ってきた。

 

原点に戻る意味でも、時々再読しようかなぁ、と思っている。