のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

背水の陣と逃げ道の効果。

僕の人生において、"背水の陣"を敷いた事が何度あるだろう?と考えてみる。

 

背水の陣とは。

逆境に追い込まれて覚悟を決め、全力をあげて勝負すること。逃げようのない位置に自分をおき決死の覚悟で戦うこと。

いわゆる、「項羽と劉邦」にて。

韓信たる戦の天才が、あえて川を背にして陣を敷き、逃げ場をなくす事で決死の覚悟で戦わせ勝利を収めた故事による言葉である。

 

僕の人生における背水の陣・・・。

・・・

ない。

僕自身が驚いている。背水の陣を敷いた記憶が一切ない。

 

いや、結果的に背水の陣になった事は何度かある。

ただ、それは、勝手に窮地に追い込まれた結果、"背水の陣"を敷かざるを得なくなっただけである。

 

例えば、テストで、勉強をサボった結果。

前日になって"よぉし!!!背水の陣だ!!!徹夜で勉強だ!!!"

・・・

これは、ただの自業自得で窮地に追い込まれた阿呆である。

サバンナで布団を敷いて寝ていた男が起きたら、ライオンに囲まれているようなものだ。

背水の陣とは言わない。

 

本当の"背水の陣"は一ヶ月前から、

"拙者は、テストの前日にしか勉強をしないと公言し、実行する事"である。

つまり、"因果応報背水の陣"と"選択式背水の陣"の違いである。

無論、本当の背水の陣は"選択式背水の陣"であると考える。

 

これは、実に勇気のいる事だ。

逃げ道をつくる事はできるが、あえて、背水の陣を敷く事がポイントである。

 

例えば。

・好きな人に交際を申し込むとして。

"この人にフラれたらもう誰とも結婚しません!!!"と公言して、口説く。

(こんな重い奴は100%フラれる気もする)

 

・大学受験の際。志望校のみに応募する。

(この話は時々聞く。)

 

・就職活動の際。一社のみに申し込む。

(最初の一社で受かって就職活動を辞めた人なら知っている。)

 

など。

 

無縁の世界である。 

そう考えると、僕の人生は、結構、逃げ道を重宝してきた、と思う。

リスク回避と表現してもいいだろう。

そんな訳で、"I Love 逃げ道"を信条に、いっそ開きなおろう。背水の陣なぞ糞食らえだ!と思った矢先に面白い情報を仕入れた。

 

"逃げ道は確保しておくだけでストレス軽減になる。"

 

とある実験の話。

ストレスホルモンを強制的に放出させる薬品を(ペンタガストリン)を点滴する実験である。(聞いただけでも恐ろしい。)

 

グループは2つ

①1つはただ点滴するだけのグループ。

②「具合が悪くなったら、ボタンを押せば実験を中止できます」と説明してから点滴されるグループ。

 

両者に同じ量のペンタガストリンが点滴される。

(大抵の人は我慢して、最後まで点滴を耐え抜くらしい。)

 

結果、体内のストレスホルモン上昇量を計ってみると・・・。

ボタンがある方が、ストレスホルモンの上昇量が5分の1くらいで済むとの実験結果が出たらしいのだ。

つまり・・・

ボタンたる"ストレス回避法=逃げ道"がある事で、既にストレスを解消する効果があるのである、と。

 

なるほど。

"私、週末になったらディズニーランドに行くんだ〜♬"

とストレスがなさそうに語っていたあいつは・・・

 

"ストレス解消法を確保している時点で、既にストレスを解消していた"のである。

 

これはスゴイ。

こうなってくると例えば。

"僕はギターを弾く事がストレス解消法なのです。"と思い込むだけど、ストレスが解消される事になる。

逃げ道を確保する事が大事なのだ。

(我が人生の生き方は間違っていなかったようだ。) 

 

つまり、何が言いたいか?

みなさん、逃げ道を確保しましょう。

さすれば、ストレスは解消されます。

結果的に逃げなかったとしても、ストレスが解消されるのです。

例えば、会社が嫌で嫌で仕方がない。

"辞めればいいじゃないか!"

このような逃げ道を確保するだけでも、気分は変わるようです。

 

"逃げ道を塞いで、背水の陣を敷いてまで成し遂げなければならない事"なんて、人生に一回あればいいじゃん?と思うわけである。