「睡眠のはなし」たる新書を読んだ。
著者:内山真
ズバリ、睡眠の基本が書いてある。
1) 睡眠時間について
最も関心を引くのが、いったい何時間寝たらいいの?との疑問である。
本書では、6時間〜7時間ぐらいでは?との極めて常識的な時間が提示される。
もちろん、個人差はあるだろうし、根拠はイマイチ明確ではない。
ただ、寝すぎても良くない、との報告がされている事には驚いた。
素人考えでは、寝る分には悪い事はなかろう、と思うのだが、実際はそんな事もないらしい。
2) 睡眠と記憶
以前に、睡眠に関する本を読んだ時も同様の事を書いたが。
徹夜のテスト勉強はバカの所業である。
人は睡眠によって、記憶を強化するのだ。
これは、睡眠、脳科学の本では定説だ。
徹夜明けのグループと、睡眠をとったグループで記憶テストをすると睡眠をとったグループが優秀な結果を残す、との実験結果もある。
すなわち、記憶に残したいのならば、いかに睡眠をとるか?が重要なのである。
もし、"俺、今日徹夜で勉強したんだよ〜"と言っている者は自分が大バカ者だと吹聴しているに等しい。
繰り返すが、"俺、今日徹夜で勉強したんだよ〜"と言っている愚か者は大バカなのである。
※そもそも、僕はこの徹夜を武勇伝として語る輩があまり好きではない。
※何故、睡眠しない事が偉いのか?と思う。
※この輩は飲み会を夜を徹した持久戦にしたがる。
もし、徹夜する熱意を3日前から発揮し、勉強の間にしっかりと睡眠をとればテストの成績は飛躍的に伸びるであろう。
ただ、僕自身が徹夜で勉強に近い事をしなかったわけではない。
徹夜する忍耐力はないため必ず寝ていたが、睡眠時間はテスト勉強の敵であると考えていたのは事実である。
何故か?
直感的に、寝たら忘れてしまう気がするのである。
※この事は多くの人が同意してくれるに違いない。
だが、本書を読むと、睡眠時間は決してテスト勉強にとって無駄な時間ではない事がわかる。むしろ、勉強を助けてくれる存在とも言える。
個人的には、この類の事は、学校で教えるべきだと思う。
各教科の勉強も良いのだが、そもそも勉強方法の基礎をしっかりと身につけるべきではないだろうか?
3) 寝たら忘れるって本当?
嫌な事があった時にどうしますか?との質問に対し、"寝て忘れる。"と答える人は多いのではないか?
僕自身も、何度か経験はある。
"嫌な事あったし、早めに寝て忘れよ〜"、と。
・・・
わお、あれ?
人は睡眠によって、記憶を強化するのだ。
と先程、僕は豪語しましたね。
おやおや?
そうなんです。
嫌な事も睡眠によって、記憶が強化されます。
これは驚いた。本書には実験の結果も載っている。
交通事故の疑似体験をさせて、徹夜組、睡眠組でストレス反応を調べると、徹夜組の方がストレス反応が和らいだそうである。
よって、大きなストレスを感じるような体験をした際に眠れなくなるのは、嫌な記憶をより定着させないためでは?との見方もされている。
そういう意味で、"失恋した女の子が友達と一緒にカラオケで歌いまくって一夜を明かす"なんて行動は理に適っているのかもしれない。
失恋した女の子は理性を失った象徴のように捉えていたが、決してそうではないのかもしれないぞ、と思う。
・・・