漫画「ちはやふる」
まだ15巻ほどしか読んでいないが、実に良い。
万人に勧められる少女漫画。
男が読んで面白い少女漫画は絶品。
「のだめカンタービレ」「ちびまる子ちゃん」と並ぶ傑作の予感。
1巻のあらすじを引用。
まだ“情熱”って言葉さえ知らない、小学校6年生の千早。
そんな彼女が出会ったのは、福井からやってきた転校生・新。大人しくて無口な新だったが、彼には意外な特技があった。
それは、小倉百人一首競技かるた。
千早は、誰よりも速く誰よりも夢中に札を払う新の姿に衝撃を受ける。
しかし、そんな新を釘付けにしたのは千早のずば抜けた「才能」だった……。
まぶしいほどに一途な思いが交差する青春ストーリー、いよいよ開幕!!
題材は、かるた、百人一首。
競技かるたの話である。
高校を舞台とする青春物語。(少なくても今の所)
要するに、競技かるたの青春物語。
主人公は女の子。
ヒロイン綾瀬千早。
超絶美人なのだけど、かるたの事しか考えていない女の子。
容姿端麗。
街で会ったら振り向かれるレベルなのだけど。
動いたり話したりすると台無しになるので、周囲から「無駄美人」と呼ばれる設定。
(正直、可愛くてしょうがないけどね。)
"絵面が可愛い女の子がモテない設定"って結構多い気もするが。
男心をくすぐるものです。
ヒロイン綾瀬千早の"まっすぐさ"が実に気持ち良い。
とにかく瑞々しい。
例えるなら、"いろはすのCMぐらい水感"がある。
そのまま"いろはすのCM"に出演できる。
採れたてのフルーツを食べた時に、ああ、生きている!!!と思うあの感じがある。
僕の漫画に対する考え方の一つ。
ヒロインの魅力があれば漫画は大体楽しい。
その点「ちはやふる」はずば抜けている。
題材が百人一首であるのも注目を集める理由の一つだろう。
多くの日本人が義務教育として勉強した百人一首。
僕の記憶では、百人一首は暗記テストの一環だったような気がする。
(そこら辺の暗記教育はあらゆるものの文化的側面を奪っているように思う。)
本作は百人一首の魅力を再度、読者に問いかけてくれる。
僕も何句か覚えたはずなのだが・・・
今記憶に残っているのは。
花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに
である。
意味は、私の美貌も時と共に衰えてしまった的な女心であったはず。
女の人は、気持ちわかるわ〜と共感する人が多いみたいね。
(なぜ、共感しようのない僕はこの句だけ覚えているのか・・・?)
百人一首との、"義務教育の暗記モンスターに食べられてしまった日本文化の結晶"に再度スポットが当たったのは良い事ではないだろうか?
(はっきり言って、古典の授業で読ませた方がいいんじゃないの?とすら思った。)
"百人一首=暗記=つまらない"との構図をぶち破る素晴らしい漫画。
※畑違いの作品(ドロドロ系やバイオレンス系)が好きな人は別として。
青春系の漫画が好きならば誰でもおすすめできる。
まさに王道。
泣いて笑える青春漫画。
題材が"かるた"なのも良い。
追伸
若宮詩暢とのライバルが最高にいい味を出しています。