脳内の世界には逆らえない?
マンションの一室にいる僕はマンション全体像がわからない。
当たり前の話だが意外と盲点である。
組織の話でもよく言われる。
内部の目だと見えないものも多い。
例えば、他社の人は視点が違う。
内部の限界、とでも言えようか。
自分が属しているものって盲目になりがち。
・・・
言うまでもなく、誰もがそんな事は重々承知。
実生活でどこまで意識しているか?は別として。
ただし、話が"脳"になると簡単にはいかぬ。
脳が全知全能の神様のように思えるのは何故だろう。
我々は脳を使って物事を考える。
これは、マンションの一室にいてマンションの全体像がわからない僕と何が違うのか?と思う。
つまり、脳を使って考えている限り、自分の脳は永遠に理解できないのでは?との謎。
他人の脳であれば、全体像がわかるのかもしれない。
だが、自分の脳であれば?
考えている主体自体をどう考えればいいのか?
そんな事を考えているから、脳科学の本をよく読む。
一番好きなのは"池谷裕二さん"であるが。
今、読んでいるのは、「つながる脳科学」との本。
2016年の11月に初版なので、最新の研究が掲載されている。
まだ途中読んでいる途中。
興味深かったのは、マウスの実験レベルで記憶を作り出す事に成功したとの記事。
具体的に言うと。
マウスに実際に経験なくても電気ショックを与えた時の恐怖心を植え付ける事ができるのである。
少し説明すると。
①場所Aにマウスを入れて危害を加えない。
→マウスは場所Aは安全な所であると認識する。
②場所Bで、マウスに対して場所Aを想起させる操作をする。
(場所Aでの脳の動きを人工的作り出す、との操作)
→加えて電気ショックを与える。
こうすると、マウスは場所Aで電気ショックに怯える、との事。
実際には、場所Bで電気ショックを受けたにも関わらず。
場所Aを想起させれば、電気ショックは場所Aと紐づくのである。
何も書いてないが、場所Bに入れられてもマウスは危険を感じないのだろう。
当たり前と言えば、当たり前なのだが。
重要な点は、脳内の世界には逆らえない、との事だと思う。
つまり、実際の場所がAだろうが、Bだろうが。
脳が場所Aと感じている限り、それを自分自身で見抜く術はないのである。
当然、マウスの実験であるので、人間がどうなるか?は不明であるが。
人間でも同じ事が出来そうな気がする。
(起きてないとも言い切れない。)
そんなわけで、僕は、脳が必死に何かを訴えて、100%そう信じきっている時でも、"まぁ、脳が正しいとは限らないしね。"と思って気が楽になる事がある。
脳に対するささやかな反抗と言えようか。
本書に関して。
読み終わったらまた何か思う所を記したい。