脳はバカだと思う。
まぁ正確に言うと。
思っていたよりもバカだったとの話。
"え、そんなもんなの?"と何度思った事か。
さて、自分自身の世界を創り上げているのは"脳"である。
そんな"脳"をバカだと言い切ってしまえば。
それこそ元も子もない話な気がする。
ただ、あえて繰り返すと、"脳はバカである。"
一般人の読者に脳科学の楽しさを教える点において一品級である池谷裕二さん。
本の題名にて"単純な脳、複雑な私"と表現する。
何故、脳はバカなのか?
本書にもある具体例を何点か。
先に言っておくと。
本当にそんな事あんのかよ?と思った。
さて。
実験を何個か紹介する。
例えば、あなたがホテルにチェックインするとして。
①受付の人が「いらっしゃいませ」と言う。
②「こちらにお名前住所をお書き下さい」
※この時点であなたの視線は紙に移る。
③受付の人が別人に入れ替わる。
・・・
さて、受付の人が変わったと気づく確率は???
実験結果によると、10〜20%との事。
驚異的に低い確率である。
性別が男→女に変わったとしても気づかないとの事だから恐ろしい。
続いて。
(マジシャンが必要な実験ですが。)
①知らない女性二人の写真を用意します。
②どちらが好みであるか?選んでもらいます。
③選んだ後に一瞬写真を伏せ、マジシャンが写真を入れ替えます。
④そして、選んでいない方の女性の写真を渡します。
→その際、選んだ本人は入れ替えられた事に気づかない事が条件。
結果はもちろん。
被験者は写真を入れ替えられた事に気づかない、のです。
しかも、なんでこの写真を選んだのですか?と質問すると。
手にしている写真を元に選んだ理由を語るそうですよ。
元々選んだ写真の女性にはない特徴を挙げるケースもあるとか。
例えば。
手元の写真が金髪ならば、「金髪が好きなんですよ。」と語る等。
※元々、好みとして選んだ写真が金髪じゃないにも関わらず。
読んでいて、そんなバカな・・・と思ったのだが。
枚挙に遑がなく例が出てくる。
脳が変化に疎いものである点、もはや語るまでもなく。
世の中の女性の皆さん。
こんな脳を持っている人類が、"髪型が変わったぐらいで気づくわけないんすよ"。
※もちろん、気づく人もいるので、ここら辺は興味の問題なんでしょう。
理由を後付けする点も面白い。
脳は自分が変化に気づかないのみならず。
自分が選択した理由を作話する。
・・・
世の中の女性の皆さん。
好きになった理由なんて脳がいくらでも後付けしてくれますので。
安心して(僕と)お付き合いを始めてみてください。
さて、諸々、申し上げたが。
脳がバカだと言った理由はそのあたりである。
まぁ、バカとまで言わなくても。
思っていたよりも"単純"であるし、"全てを把握できるわけではない"事だけは確か。
う〜む。
果たして、脳の判断に全幅の信頼を置いて良いものか?とも思う。
「単純な脳、複雑な私」の一部分のみを抜粋。
本書は実に面白いので、引き続き紹介したい。