久しぶりのスティーブンキング「ペットセマタリー」
久しぶりにスティーブンキングの作品を読んだ。
思えば、読書人生の先駆けにいるのがスティーブンキング。
地元の図書館によく置いてあった、との背景もあるが。
紡ぎ出す世界観が好きだった。
彼の作品は大きく二つの分類があって。
①ハートウォーミング
②ホラー
まったく逆のベクトルを描けるのが彼の実力なのだろう。
なお、スティーブンキングというと、あまり知らない人もいるのだが。
多くの名作映画の原作となっている。
挙げるなら・・
・「スタンドバイミー」
・「ショーシャンクの空に」
・「グリーンマイル」
などなど。
言うまでもなく珠玉の名作。
僕は、スティーブンキングをオススメする時によく・・・
「これだけ作品が名作映画になっているのだから、原作も名作に決まってるじゃん」
と言う時がある。
素晴らしい小説が必ずしも良い映画になるとは思わないが。
駄作の小説はそもそも映画化されません。
良い小説には素晴らしいスタッフがつく。
など、条件は揃うのと思う。
加えて、スティーブンキングの作品は映画化しやすい、と思う。
いわゆる鉄板。
僕の中では、小説界のクリント・イーストウッド的な地位を占めている。
外れがないとの点で。
ただ、最近、離れていたのは。
翻訳文が肌に合わない時があるため。
「ペットセマタリー」
著者 スティーブンキング
あらすじを引用。
都会の競争社会を嫌ってメイン州の美しく小さな町に越してきた、若い夫婦と二人の子どもの一家。
だが、家の前の道路は大型トラックがわがもの顔に走り抜け、輪禍にあう犬や猫のために〈ペットの共同墓地〉があった。
しかも、その奥の山中にはおぞましくも…。
「あまりの恐ろしさに発表が見あわせられた」とも言われた話題作。
スティーブンキングはホラーの帝王と呼ばれる。
その名にまったく恥じない作品。
作品で一番好きとはいかないが。
スティーブンキングが好きだった時代を思い出すには十分だった。
総評すると、この人は恐怖のツボを知っている。
接骨院でよく効くツボを思いっきり押されるように、恐怖のツボに圧力がかかる。
決定的なシーンの描写がとにかく怖い。
読者に恐怖のイメージが膨れ上がる。
じわじわと空気を送り込まれた風船のように
小説で、あぁ怖いな、と思ったのはスティーブンキングが初めてだったかも。
本作も同じく。
真綿で首を絞められていくような恐怖感でじわじわと恐怖が募る。
田舎に引っ越してきた家族を襲う恐怖。
人間の本質的な弱さを逆手に取られた悲劇。
誰しも、自分だったら?を想像してしまうし。
その答えに戦慄して慄く。
またスティーブンキングを読み始めてみようかな。