発酵。
実に奥深いテーマである。
人類史上においてでも。
発酵の発見は一つの転機を産んだであろうし。
歴史を変えた、と言ってもいい。
知る or 知らない で世界の見え方が一変。
我々は常に微生物に囲まれている。
「発酵」
〜ミクロの巨人たちの神秘〜
1989年初版にて。
僕の産まれた2年後の本である。
古びず、実に楽しめた。
微生物に関しては過去の記事でも触れており。
ウイルスと細菌の話は実に興味深く。
愛読のテーマにて。
おそらく
(検証はした事がないが)
地球上から微生物を全て駆逐したら、地球は破滅する。
自然界のバランスは微生物によって成り立っている、と感じる。
言及されているのは知らぬが。
おそらくそうであろう事。
故に、除菌 99.9%との言葉がイメージのみで先行するのは良くなく。
除菌は時に正義だが。
必ずしも、全てにおいて当てはまるわけではなく。
菌によってバランスが保たれている部分も多く。
地表上での動植物の総生産量は、年間5,000億トン〜1兆トンと推定されている。
もし、ここに微生物の発酵作用がなかったならば、地上はたちまちのうちに動物や植物の遺体で埋まってしまうだろう。
との事。
本書にありて。
簡単に言うと。
微生物がいなければ動植物の遺体は分解されないので。
物体として存在し続ける限り、あっという間に地上を埋めてしまう、との意味。
バランスをとる微生物。
"目に見えないけど、酸素って重要だよね〜"
と同じようなトーンで。
"目に見えないけど、微生物って重要だよね〜"
と語る意味合いは全く同じである。
どちらも生きる上で重要だ。
現代に蔓延る"除菌至上主義"に物申す。
彼らなくして、我々は生きられないぞ。
まあ、もちろん、悪さをする菌もおりますが。
特段、触れることはなかったが。
発酵とは、微生物 = 菌の作用であり。
菌なくして発酵はあり得ない。