何となく本を読むって知的な匂いがするよね。
と学生時代に思った。
漠然と、ただ漠然と本を読んでいれば、何かが掴めるのだろうか?
と考えた。
一冊の本を読み終わった時。
この本は自分にとって何をもたらしたのか?
と自問自答した。
そして、案外…何ももたらしていないのでは?
と思うようになった。
何故なら、よくよく考えてみると本の内容が特別自分の中に溶け込んでいないから。
言い換えれば、"本の内容について"語るべくものが何もないから。
そう。
"何も語れない"って致命的な話で。
"語る"とは重要な事だと思う。
僕の経験上、本当に好きなものは絶対に語るべきものをもっている。
逆もまた然り。嫌いならば語るものをもっている。
"語るべきものがない"とは無関心と近いのではないだろうか?
自分の意見も、感想も、思いもない。
無味乾燥なもの。
そんなわけで…
例えば、一冊の本を読んだ時。
本の内容が自分の中を通り過ぎていくような焦りを感じたら…。
誰かに語ってみると良いと思う。
そうすると、語るべき何かが自分の中に沈殿するから。