「君の名は。」
「君の名は。」
今年の流行り映画は、「シンゴジラ」と「君の名は。」であろう。
珍しく二つとも映画館で観た。
「シンゴジラ」は以前に触れたので。
今回は「君の名は。」について。
予備知識なし。
知人の"観たい"に応え「まぁ、行ってみるか。」程度の気持ちであったが。
いざ、観てみると、かなり良かった。
流行る理由がわかる。
オススメである。
アニメ作品の最高峰と思える映像美。
精緻に描かれた世界観にRADWIMPSの音楽が疾走感を生む。
・・・
確かに、若者感はある。
今の流行り感はあるのだけど。
・・・
うわぁ、すげえな・・・との超越的な感情が勝る。
老若男女楽しめると思いますよ。
(見方はそれぞれあるとしても。)
ストーリーに感動するしないは好みによるとは思うが。
アニメのクオリティは、誰が見ても間違い無い。
ストーリーは、男女が入れ替わる系の話。
「赤い糸ファンタジー」と評していた人がいたが。
まさにその通りだと思う。
入れ替わる二人は。
三葉ちゃんと瀧くん、である。
(とにかく絵が綺麗)
出逢うはずのない二人であり、運命の二人である。
「ずっと何かを探している・・・」
劇中の言葉が印象に残る。
本作、純粋な恋愛物語としても観れるのだけど。
「ずっと何かを探している・・・」
「何を探しているかはわからなくても、絶対にどこかにある大切な何かを探している・・・」
この物語の根底にある赤い糸感が、心を高揚させるのですよ。
僕はもう20代後半。
元々、赤い糸みたいな運命的なものを信じるタイプではないのだけど。
それでも、この赤い糸感は、心のどこかに潜んでいる気がした。
恋人に限った話ではなく。
友人でも、同僚でも。
上司でも、先生でも。
更には、趣味であったり、職場でも、場所、国、なんでも良いのだけど。
どこかに自分の居場所・・・
本当に出会わなければならないもの・・・
一生をかけて見つけるべきもの・・・
その運命論は、生きる活力だと思うんだよね。
だって、みんな今以上の何か幸せなものがあると信じるから生きているんでしょ、と思う。
そして、この「何かを探している感じ」とは、歳をとり失われていくものである。
そして、喪失感みたいなものだけが残る。
無限の可能性が少なくなっていく感じ。
自分の限界を推し量るようになってしまう。
※その手の喪失感は村上春樹さんの小説でよく描かれる。
ただ、それでも。
だんだん喪われてもなお。
みんなどこかに赤い糸感を持っている。(と僕は思う。)
そして、その忘れていた赤い糸感を「君の名は。」は、手繰り寄せてくれる作品である。
そこが観終わった後の高揚感を生み出したのだと思う。
探しているから意味がある。
人生はそういうもの。