「四月は君の嘘」〜人生を決めた大切な瞬間の物語〜
人生にはタイミングがあって。
あの時に出逢ったからこうなった、とか。
たまたまお酒が入っている時に、心に染み渡って涙が溢れたとか。
偶然と必然が混ざり合って成り立っていると思う。
紙一重が人生を変える。
誰しも人生を一変させた瞬間を持っていて。
何でもいい。
人でも、本でも、音楽でも、スポーツでも。
"あれがあったから、僕は今ここにいる"と、確信しているもの。
どの瞬間でもない。
"あそこであれに出逢えたから、今、僕がこうなっている"と断言できるもの。
そんな人生の宝物を鮮やかに描く漫画に出逢った。
そして、この漫画自体が宝物になるであろう。
全11巻。
漫画を1日で完結まで読み切ったのは初めての経験。
夢中になって。
感動して。
涙がボロボロとこぼれた。
涙腺崩壊。豆腐の如く、緩々と。
「四月は君の嘘」
僕は、今、一気呵成で読み終えた漫画を反芻して。
心に住みついたものを大切に胸の奥に閉まっている。
そして、震えた胸の振動をそのまま文章に残したいと思う。
今日中に何かを残さないといけない気がした。
あらすじを引用。
「あの日、僕はピアノが弾けなくなった‥‥」仄暗い青春を過ごす元・天才少年、有馬公生。
夢も恋もない世界に佇む、彼に差し伸べられた手は名も知れぬ少女のものだった!! 少女の名は宮園かをり。
性格最低・暴力上等の彼女はしかし、まぎれもなく最高のヴァイオリニストだった!公生は、かつて住んでいた音楽の世界に、強引に引きずり戻される。
カラフルに色づく、音楽の世界に! 完結後の今もなお、各界からの絶賛の声が鳴り止まない音楽コミックの金字塔!「音が聴こえる」その描写から、目が離せない!
母の死をきっかけにピアノを弾かなくなった、元・天才少年有馬公生。目標もなく過ごす彼の日常は、モノトーンのように色が無い‥‥。
だが友人の付き添いで行ったデートが、少年の暗い運命を変える。性格最低、暴力上等、そして才能豊かなヴァイオリニスト‥‥少女・宮園かをりと出逢った日から、有馬公生の日常は色付き始める!! 青春を切り取る注目の作家・新川直司がおくる、切ない青春ラブストーリー最新作第1巻!
あなたにとってヒーローは誰ですか?
心の中にずっと残っていて。
今のあなたにとって、道しるべであったもの。
人生を磁石のように吸い寄せた瞬間を創り出してくれたものは何ですか?
本作は、あなたの人生を変えた宝物のような瞬間を見事にフラッシュバックさせてくれる。
故に、涙が止まらなくなった。
僕は本作を映画化された予告編で知った。
正直な話、思っていたような作品ではなく。
いい意味で裏切られた。
映画は観た事はないけれど。
ネタバレは嫌なのであまり語らぬが。
僕は本作をお涙頂戴の王道ストーリーかと思っていた。
しかし、読んでみると異なる。
(そういう読み方もできるのだけど)
人生で最も大切な宝物の話である。
生き方が決まった体験の物語である。
誰かの人生にとって意味を持った出来事。
その大切な瞬間が重層的に折り重なってストーリーを紡いでいる。
とにかくすぐに文章に残したかったため、推敲もせずに散文。
また改めて、しっかりと書きたいもの。
音楽系のストーリーを漫画で表す。
音は一切ないはずなのに、物語に溶け込める。
カラフルな音に包まれているような体験。
いやぁ、いい漫画に出会えて幸せです。