のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

脳は個性を保つために神経細胞を増殖させない。

"脳の神経細胞には増殖する能力がない。"

それはおそらく、脳が個性を保つためであろう、と。

 

私たちは"常にエントロピー増大の法則"に襲われている。

これは福岡伸一さんが主張する基本原則である"動的平衡"の考え方である。

 

過去のブログでも触れた事があるが。

anfield17.hatenablog.com

 

一言で言えば。

細胞が一定の周期で壊れる→増殖するを繰り返す事で我々の存在を維持している、との考え方。

イメージで言えば、エスカレーターを進行方向と逆向きに走る事で現在地を維持している、のと同じ。

 

その動的平衡の考え方から考えると。

細胞が全て入れ替わった僕は僕でありうるのか?

との考えが生まれ。

詰まる所、入れ替わっているのだから嫌な事があっても忘れちまおう、との発想に至った。

 

ただし、脳が変わらないならどうだろう?

アイデンティティはどこにあるのか?

 

仮に脳の神経細胞が全て変わってしまったとしたら。

我々は全くの別人になってしまうのだろうか?

 

他の全て、細胞が入れ替わったとしても。

脳だけはそれを許さない。

そこに、脳が唯一無二の臓器である事を雄弁に語る。

 

脳っていうものは本当に不思議。

うまくできているようでうまくできていない。

 

記述があるのが、池谷裕二さんの「記憶力を強くする」である。

僕を脳科学の世界に誘った最高の名著である。