のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

快楽ボタンを押し続けるネズミについて。

以前、快楽ボタンを押し続けるラットの話を紹介した。

 

anfield17.hatenablog.com

 

詳細は上記を参照と思うが。

簡単に説明すると。

 

脳内には報酬系、との、いわゆる、快楽を得る機能がある。

報酬系(快楽)とは、

例えば、麻薬による快楽みたいな話がわかりやすいが。

勉強して試験に受かった、とか。

スポーツで勝利した、とかとの話も報酬系の刺激になる。

つまりは、誰しもが感じた事のあるような、達成感とかやりがいの事を指す。

 

その達成感(快楽を得る = 報酬系の刺激)を意図的に得られる手段があるとしたら。

生物はその快楽に溺れる、のである。

 

実験の内容は下記の通りもの。

 

実験用ネズミの脳に電極を刺して、

ボタンを押すと報酬系を刺激する(快楽を得る)事ができるようにする。

 

ネズミはボタンさえ押せば、自分の意思で報酬系を刺激できる状況となる。

 

実験の内容は、上記のような状況でネズミがどのような行動を取ったのか?

との話であるが。

ネズミは、寝ることも食べることも放棄して・・・

快楽ボタンを押し続けたのである。

 

1時間に7,000回ものボタンを押したのだから、恐ろしい話。

その間、発情期のメスにも目もくれなかった、という。

 

生物とは、原則的に種の保存 = 代々子孫を残す事 を基本として成り立っている。

故に、性欲が存在しているのであって。

(もちろん、性関係の話も報酬系を刺激するカテゴリーである)

 

その生物が、子孫を残す事を放棄する、とは、

"運動会の綱引きで綱を握らない"ぐらいのやってはいけない事、

であるはずである。

ただ、実験の結果はそうではない、との事。

 

もちろん、報酬系の刺激 = 種の保存のための行為(性行為)なので。

同じようなものである、との解釈もできるが。

本来のあり方としては、

報酬系の上位に種の保存があるべきであろう、との真っ当な意見も納得ができる。

(ただ、そんな事になったら人間の社会は成り立たないかもしれないが)

 

そう考えると、

生物とは、100%合理的にできていない、のである、と改めて思う。

 

下記に挙げる内容の通り。

人間もまた、行動経済学に考えても不合理なものなのである。 

anfield17.hatenablog.com

 

快楽ボタンを押し続けるネズミについて。

同じ実験内容を紹介している本を読みて。

しかも、今回は翻訳物ではないので、実に読みやすい。

 

「こころはいかにして生まれるか」

櫻井武

 

オススメである。