快楽ボタンを押し続けるネズミについて。
以前、快楽ボタンを押し続けるラットの話を紹介した。
詳細は上記を参照と思うが。
簡単に説明すると。
脳内には報酬系、との、いわゆる、快楽を得る機能がある。
報酬系(快楽)とは、
例えば、麻薬による快楽みたいな話がわかりやすいが。
勉強して試験に受かった、とか。
スポーツで勝利した、とかとの話も報酬系の刺激になる。
つまりは、誰しもが感じた事のあるような、達成感とかやりがいの事を指す。
その達成感(快楽を得る = 報酬系の刺激)を意図的に得られる手段があるとしたら。
生物はその快楽に溺れる、のである。
実験の内容は下記の通りもの。
実験用ネズミの脳に電極を刺して、
ボタンを押すと報酬系を刺激する(快楽を得る)事ができるようにする。
ネズミはボタンさえ押せば、自分の意思で報酬系を刺激できる状況となる。
実験の内容は、上記のような状況でネズミがどのような行動を取ったのか?
との話であるが。
ネズミは、寝ることも食べることも放棄して・・・
快楽ボタンを押し続けたのである。
1時間に7,000回ものボタンを押したのだから、恐ろしい話。
その間、発情期のメスにも目もくれなかった、という。
生物とは、原則的に種の保存 = 代々子孫を残す事 を基本として成り立っている。
故に、性欲が存在しているのであって。
(もちろん、性関係の話も報酬系を刺激するカテゴリーである)
その生物が、子孫を残す事を放棄する、とは、
"運動会の綱引きで綱を握らない"ぐらいのやってはいけない事、
であるはずである。
ただ、実験の結果はそうではない、との事。
もちろん、報酬系の刺激 = 種の保存のための行為(性行為)なので。
同じようなものである、との解釈もできるが。
本来のあり方としては、
報酬系の上位に種の保存があるべきであろう、との真っ当な意見も納得ができる。
(ただ、そんな事になったら人間の社会は成り立たないかもしれないが)
そう考えると、
生物とは、100%合理的にできていない、のである、と改めて思う。
下記に挙げる内容の通り。
人間もまた、行動経済学に考えても不合理なものなのである。
快楽ボタンを押し続けるネズミについて。
同じ実験内容を紹介している本を読みて。
しかも、今回は翻訳物ではないので、実に読みやすい。
「こころはいかにして生まれるか」
櫻井武
オススメである。