人は生まれながらに平等である。
これは学校教育において、
源泉的な底流にあり、
常に雰囲気として学生たちを包み込んでいる呪縛であると思う。
”努力すれば、夢は叶う!”
も同様に根拠がない。
数学の証明問題であれば、
0点であるどころか、先生の心証を損ねてマイナスの評価となるかもしれない。
この事については、様々な意見があり。
決して盲目的に教えを否定するわけでもない。
逆の話で、
”人は生まれながらに不平等である、努力してもダメなものはダメだ!”
と教えた場合、
”じゃあ、努力しても意味ないじゃん。”
と、数学の証明問題であれば100点の論理的繋がりで生徒がやる気をなくす可能性がある。
努力して叶った夢ももちろんあり。
逆に、努力したけど叶わなかった夢もある。
おそらくどちらも事実であるので、
どちらかを一方的に押し付ける事が間違っているのであろう。
ただ、世の中には、
”それを言っちゃあ、おしまいよ”
と思わず言いたくなるような事があるのも事実で。
”結果、みんな死ぬんだから、どう生きたって一緒。”
が最たる例である。
(本当にその信念に基づいて人生を貫徹させようとしている人を見た事はないが。)
そのため、世の中には、”言ってはいけない暗黙の了解”が存在しているのである。
そんな”言ってはいけない”事を紹介しているのがこの本。
「言ってはいけない」
残酷すぎる真実
紹介を引用。
この社会にはきれいごとがあふれている。
人間は平等で、努力は報われ、見た目は大した問題ではない―だが、それらは絵空事だ。
進化論、遺伝学、脳科学の最新知見から、人気作家が明かす「残酷すぎる真実」。
読者諸氏、口に出せない、この不愉快な現実を直視せよ。
言ってはいけない事、とは、
例えば、知能は遺伝する、といったような事である。
・大学教授の子供は頭が良い。
・この子が頭が悪いのは親がバカだからだ。
この二つは同じ事を違うベクトルで指摘しているのだけれど、
確実に後者は言ってはいけない事に属する。
例えば、先生が、ある生徒に、
「君の親はバカだから、君がどんなに頑張ってもバカなままだよ」
と言ったとすると、
校長先生すらも真っ青になる程の大問題となる。
ただ、本書の中では、身長が遺伝するのと同じように、
知能の部分も遺伝する、と語られる。
そうなってくると、
本人の努力ではどうにもならない部分の領域が確かに存在していて。
”じゃあ、僕がバカなのは、自分の親がバカなせいだ!”
と、(それこそバカな)論を展開する奴も出てくる気もするのだが、
そもそもの話、
頭の回転の良し悪しなんて単純な話ではなく、
親がバカだと決めつけるのもまたバカの所業である、と思ってしまうのである。
そういうわけで、
知識の遺伝については、
悲観的に捉える必要がない、と個人的には思うのだけれど、
どうだろうか。