のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「掏摸」中村文則

天才スリ師。 甘美な響きである。 なんだろう。鮮やかな盗みの手口は、人を酔いしれさせる。 もちろん、悪事である事は重々承知なのだが。 楽しみたい。せめて物語のなかだけでも。 「掏摸」 中村文則 本書は天才スリ師の話である。 ただし、難攻不落の城か…

「妻を帽子とまちがえた男」オリバー・サックス

「妻を帽子とまちがえた男」 著者:オリバー・サックス 訳者:高見幸郎・金沢泰子 紹介文を引用。 妻の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする音楽家、からだの感覚を失って姿勢が保てなくなってしまった若い母親、オルゴールのように懐かしい音楽が聞こえ続ける…

読み解いていくと、<わたし>が霧散する。 そもそも"わたし"とは何であるか?

常に"わたし"は1つである。 全てを決めているのは"わたし"。 明日、会社に行くのも自由。 行きたくなければ、行かなければよい。 決定権は"わたし"にある。 いつも、どんな時にも。 "全ては"わたし"が決めている"とは、現代社会の大前提だと思う。 そうでな…