のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

一般書

名著発見!!!「ファスト&スロー」

2016年は、この本に出会えただけで価値あり!!! と断言したくなる。まごうことなき名著。 間違いなく再読する。 「ファスト&スロー」 ダニエル・カーネマン 分厚い本で読了には時間がかかる。 ただ、それだけの価値がある事を保証。 ※良書のため何回かに…

「妻を帽子とまちがえた男」オリバー・サックス

「妻を帽子とまちがえた男」 著者:オリバー・サックス 訳者:高見幸郎・金沢泰子 紹介文を引用。 妻の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする音楽家、からだの感覚を失って姿勢が保てなくなってしまった若い母親、オルゴールのように懐かしい音楽が聞こえ続ける…

お腹の中は"体内"ではありません。"体外"です。

お腹の中は体内ではありません。 "はあ?何を寝ぼけたことを?"と思ったかもしれない。 ただ、生物学的な話をすると。 お腹の中は"体内"ではありません。"体外"です。 口から肛門までを1つの管と考える。 これはイメージつくだろう。 口、喉、腸、肛門は1…

たんぱく質とDNAの関係

たんぱく質は英語でプロテインである。 "ボディビルダーが飲んでいるヤツね。"とか。 "お肉に多く含まれている栄養素ですよね。"・・・ 程度のイメージであろうか。 "俺、プロテインなくっちゃ生きていけないっす。" と発言したら、筋肉バカだと思われます。…

哺乳類が進化する過程で必要となったもの。それは・・・"ウイルス!?"「新しいウイルス入門」

今回の話題は、ウイルスです。 う・い・る・す。 (響きがういーっすに似てるな。とくだらない事を考えた。) 世の中から消え去って欲しいものランキングを考えた時。 ゴキブリとウイルスはトップ10には入ると思っている。 (ゴキブリは実害は少ないけどね。) …

人間関係は自分が正しいと思い込まない事が肝要。「自分の小さな箱から脱出する方法」

人間関係のない人生なんてクソ食らえだ。 味のしない料理みたいなものである。 人間関係がなければ、人生は面白みもない。 「人生なんて、人間関係がどうなるかでしょ」 と飲み屋で彼女が呟いた。 って小説の一場面でありそうですよね。 やっぱり、人と人と…

快楽ボタンを押し続けるラット。

ある実験の話を読んだ。 実験用ラットの脳に電極を刺す。 電極はボタンにつながっており、押すと"ラットは快楽"を感じるようになっている。 ラットが自分でボタンを押せるようにしておくとどうなるか? ・・・ 結果は少々寒気がするものになる。 ※仕組みを説…

"失恋した女の子が友達と一緒にカラオケで歌いまくって一夜を明かす"なんて行動は理に適っているのかもしれない。

「睡眠のはなし」たる新書を読んだ。 著者:内山真 中公新書 ズバリ、睡眠の基本が書いてある。 1) 睡眠時間について 最も関心を引くのが、いったい何時間寝たらいいの?との疑問である。 本書では、6時間〜7時間ぐらいでは?との極めて常識的な時間が提示さ…

一度は疑われるべき多数決。「多数決を疑う」

シンプルで言いたい事がはっきりしている新書は良い。 テーマは"多数決"。 「多数決を疑う」 〜社会的選択理論とは何か〜 坂井豊貴 著者の立ち位置を引用する。 多数決ほど、その機能を疑われないまま社会で使われ、しかも、結果が重大な影響を及ぼす仕組み…

語感を知らぬ人は読む価値あり!「語感トレーニング」

"恩師を囲む会" "恩師を取り巻く会" ・・・ なんだか後者は恩師の身が危険にさらされているように思える。 鉄バットがよく似合います。 確かに、殺伐とした感じがありますね。 同じ"ある対象の周りにいる"行動であっても、ニュアンスが異なる。 これが、"語…

自分の意識を疑うなんて、踏みしめている大地を疑うようなもんだ。『意識はいつ生まれるのか』

意識とは何か? その説明ができぬが故に読み始めた。 我々は、毎日、眠る時に意識を失う。 必ず自分の元に戻ってくる事を前提に。 ただ、実は、意識が戻ってくる保証なんて何もない。 (少なくても僕は意識が戻る根拠を説明できない。) 戻ってこないとしたら…

理由なんてどこにもない。「謝るなら、いつでもおいで」

物事には、原因と結果があるべきだと思う。 もしくは、あって欲しいと願っている。 何故か? 理由のない事が一番恐ろしいからである。 小学生6年生の少女が明確な殺意を持ってクラスメイトをカッターで殺したならば、理由がなければならない。 いや。誤解を…

「感染症と文明」

新書の魅力は知らぬ分野の話を手軽に吸収できる事。 "感染症"をテーマとした本書はまさに新書の鑑である。 読みやすくて内容が充実。 間違いなく知的興奮を味わえる。 "細菌"と"ウイルス"って何が違うの?程度の知識レベルで充分理解できる。 「感染症と文明…

"禅と日本文化"は意識すらできない同化をしている?

面白い! 大学時代に読んで挫折したのだけど、再読すれば名著と呼ばれる理由がわかる。 吸い取れる部分だけ吸い取れ!と大学時代の自分にアドバイスしたい。 「禅と日本文化」 鈴木大拙 著 北川桃雄 訳 挫折した理由は、正直、難解(というより、文章が肌に合…

奇跡の脳、そして、奇跡の本であると思う。「奇跡の脳」

「奇跡の脳」 〜脳化学者の脳が壊れたとき〜 ジル・ボルト・テーラー ※あらすじから引用。 脳科学者である「わたし」の脳が壊れてしまった――。 ハーバード大学で脳神経科学の専門家として活躍していた彼女は37歳のある日、脳卒中に襲われる。 幸い一命は取り…

感覚を疑う事はできる。脳を疑う事はできるのか?「脳のなかの幽霊」

「脳のなかの幽霊」 V・S・ラマチャンドラン インパクト大。 考えた事もないような事が事例を次々と知る事になる。 僕はそこに人間の脳の脆さを垣間見たような気がした。 本書は脳科学の話である。 神経科医、神経科学者であるV・S・ラマチャンドランが様々…

「おこらないこと」アルボムッレ・スマナサーラ

シンプルな思想は美しい。 思想を推敲して推敲して、残ったものを大切な贈り物のように伝える。 本書を読んで、問う。 「で?要するに何なの?」 一言で「怒ることをやめなさい」って事。 ああ、とてもシンプル。 もし、あなたが怒りから解放された人生を送…

徹底的に鍛え上げた日本刀のようなノンフィクション。「誘拐」

「誘拐」 本田靖春 徹底的に鍛え上げた日本刀のような本。 切れ味と緊張感が尋常ではない。 ノンフィクションの分野で、間違いなく最高峰。 著者の本田靖春さんは元新聞記者である。 僕自身は知らなかったのだが、とても有名な方のようで。 新聞記者の友人に…

自分自身の生き方が変わる脳科学の本。「海馬」

「海馬」〜脳は疲れない〜 池谷裕二 糸井重里 自分自身の生き方が変わる脳科学の本。すげぇ、おもしろい。 "脳"とは?何者であるか?が軽快なトークと共に語られる。 構造を知らなければ、使い物になりません。 脳を知る事の重要性を気づかせてくれた本。 脳…

「なぜ私だけが苦しむのか」現代のヨブ記

「なぜ私だけが苦しむのか」現代のヨブ記H.S.クシュナー 人間の真摯さが伝わる。 本書は、一人のユダヤ教教師が人生・神・宗教について考えた本である。 冒頭。なぜ、私はこの本を書いたか?にて、「極めて個人的な書物である」と語っている。まさにその通り…

「フォークの歯はなぜ四本になったか」

「フォークの歯はなぜ四本になったか」 〜実用品の進化論〜 ヘンリー・ペトロスキー 忠平美幸 訳 "電車のつり革は何故このような形なのだろう?" 今まで考えてもみなかった疑問が次々と頭の中を駆け巡る。 日常の何故?が確実に変わる、かなりお勧め。 タイ…

"わかったつもり"であった事を認識させてくれる良書「わかったつもり」

「わかったつもり」 読解力がつかない本当の原因 著者:西林克彦 "わかったつもり?" と自問自答する。 十中八九わかっていない事があるのだよ。 本書は"わかったつもり"になるカラクリを見事に解き明かす。 いや、実際に、"ほら、わかったつもりになってたで…

まずは寝なさい。話はそれからだ!「睡眠の科学」

「睡眠の科学」櫻井武 なぜ眠るのか なぜ目覚めるのか 「今すぐ寝なさい!ネットなんか閲覧してる場合ではない!」 と言いたくなる。 日本において。 ①アルコールを飲んでほろ酔いで出社した者 ②徹夜をして眠い状態で出社をした者 は前者の罪が重い。 (下手…

本「記憶力を強くする」池谷裕二

これは面白い!と誰かに紹介したくなる本である。 というより。 紹介する事で"記憶力は"強くなるのでそうしたくなる。 (と本書に書いてあって、まったくその通りだと思った) 本書を読んで・・・ ①1週間後に誰かに紹介する。 ②その2週間後に別の誰かに紹介す…

神さまについての本。「神とGOD」

"もう神頼みだな…" とか。 "神様にお願いする"とか。 年始の初詣とか。 葬式では仏教徒風になり、クリスマスにはキリスト教徒風になるとか。 もっと言えば、仏教においては遺体に意味はない。 そこは儒教的な考えが混合しているとか。 神道、儒教、キリスト…

「知」のソフトウェア 立花隆

〜情報のインプット&アウトプット〜 古典的な本である。 当然、スマホなんて言葉は全く登場しないが、読む価値は充分にある。 ■大前提 知的生産(この言葉自体が曖昧で輪郭がないが…)の技術、技法には決まったやり方は存在しない。 つまり、本書のテーマ自体…

アメリカ型ポピュリズムの恐怖 斉藤淳

アメリカのトヨタ叩きについて。 2009年秋からの急加速疑惑に絡むトヨタバッシングを読み解く。 大規模なリコールに発展した事件である。 筆者は当時、ニューヨーク駐在の通信社記者であった。 最前線の人物が振り返るトヨタバッシング。 文中から引用する。…