2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧
「誘拐」 本田靖春 徹底的に鍛え上げた日本刀のような本。 切れ味と緊張感が尋常ではない。 ノンフィクションの分野で、間違いなく最高峰。 著者の本田靖春さんは元新聞記者である。 僕自身は知らなかったのだが、とても有名な方のようで。 新聞記者の友人に…
「海馬」〜脳は疲れない〜 池谷裕二 糸井重里 自分自身の生き方が変わる脳科学の本。すげぇ、おもしろい。 "脳"とは?何者であるか?が軽快なトークと共に語られる。 構造を知らなければ、使い物になりません。 脳を知る事の重要性を気づかせてくれた本。 脳…
「不実な美女か 貞淑な醜女か」 米原万里 文章にユーモアが滲み出ている。 テンポの良く全編を楽しめる。 ロシア語通訳者である米原万里さんが通訳について語った本である。 まず、タイトルが秀逸。 「不実な美女か 貞淑な醜女か」 ・・・ なんのこっちゃ?…
「ドミノ」 恩田陸 東京駅で27人+1匹の人生が交錯する話。 断片の交錯が各登場人物の人生を膨らます。 いい小説は登場人物が旧知の仲であるかのような錯覚に陥るが、27人+1匹でそれを実現しているからスゴイ。 小説の中ではなく、本当に27人と1匹が生きて…
「パレード」吉田修一 「中古品はこわいよね」 「なんで?」 ・・・ 「だって、”誰が、どう”使ってたものかわからないじゃん?」 「今あるものは、物質において完結しているのだけど。裏側に何があったのか?はあくまで想像に起因する。」 「”想像しなければ…
「なぜ私だけが苦しむのか」現代のヨブ記H.S.クシュナー 人間の真摯さが伝わる。 本書は、一人のユダヤ教教師が人生・神・宗教について考えた本である。 冒頭。なぜ、私はこの本を書いたか?にて、「極めて個人的な書物である」と語っている。まさにその通り…