のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

それから 夏目漱石

小説の最高峰。 人が人である事への苦悩。 どう生きるか? もしくは、いかに死ぬか。 人間が生きる悩みを真芯で捉えている。 真芯であるが故に、響く。 自己の中にある沈澱物に対して一石を投じるかのように、心がざわめき立つ。 深度ある共振。 だから、一…

泣いて馬謖を斬る

泣いて馬謖を斬る 三国志からの古事成語である。 子供の頃に読んだ三国志であるが、 泣いて馬謖を斬る、の物語はあまり好きではなかった。 どうしたって、幼少期の三国志は、 諸葛亮孔明を中心に回る。 ”彼の天才的な策略によって、劉備玄徳の志を遂行する。…

史実の空隙に入り込んだ物語

「黒牢城」 米澤穂信 あらすじを引用。 信長を裏切った荒木村重と囚われの黒田官兵衛。 二人の推理が歴史を動かす。 本能寺の変より四年前、天正六年の冬。 織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。 動揺する…

人は自分を正当化する生き物である。

人間はたとえ自分がどんなに間違っていても、 決して自分が悪いとは思いたがらないものだということがわかりかけてきた。 ビジネス書の名著に位置付けられる「人を動かす」の第一章に書かれている。 ”人は自分が正しいと思い込む”呪縛は、 そういうもの、と…

仕事と人生

”仕事と人生”とのタイトルから滲み出る古い時代のビジネスマンの匂い。 帯にある著者の写真がまさしく昔ながらの〜といった厳格な雰囲気を醸し出す。 今の時代、そのような生き方は本流ではないのかもしれないが。 経験から語られる仕事の考え方は、 間違い…

スロウハイツの神様 辻村深月

スロウハイツの神様 辻村深月 人生を振り返った時、 あの出逢いがあったから、今の人生がある、 そう思えるものは存在する。 その出逢いは偶然かもしれないが、 必然であるかのように、自分の一部になる。 心の輪郭を鷲掴みされて、 無理矢理に形を変えられ…

推し、燃ゆ

社会に馴染めない人、は、ある一定数いる。 僕自身も、全ての人に馴染めるわけではなく、 例えば、IT企業の超エリート軍団とか、喧嘩っ早いチンピラ集団、ハロウィンの若者とか、 たぶん、うまく馴染めないであろう集団は容易に思いつく。 馴染めない。 とは…

「ままならないから私とあなた」

熊本に鈍行列車で向かった事がある。 いわゆる青春18切符での鈍行の旅であり、 お金はないけど時間がない学生の定番であった。 でかいリュックと一緒に、まるで置物のようにちょこんとボックスシートで座っていたのだけれど、 途中で乗ってきたおじさんに…

痛みの話。親知らずについて。

元来より、痛みがあまり好きではない。 (誰でもそうだろ、バカ。という声が聞こえてきそうである。) ただ、多分、人より、痛い事が嫌いである。 サッカー部だった時代に、 情熱的なスライディングタックルを仕掛けて、 太腿の外側に500円玉以上の面積の…

「大人になったなと感じるとき」

今週のお題「大人になったなと感じるとき」 深呼吸をすると、 怒りが消えるようになったと思う。 ただ、怒りを消すためには、 深海魚が生息するぐらいの深い呼吸が肝要である。 チョウチンアンコウが闊歩する世界を想像して・・・ 水深200メートル~800メー…

言ってはいけない 残酷すぎる真実

人は生まれながらに平等である。 これは学校教育において、 源泉的な底流にあり、 常に雰囲気として学生たちを包み込んでいる呪縛であると思う。 ”努力すれば、夢は叶う!” も同様に根拠がない。 数学の証明問題であれば、 0点であるどころか、先生の心証を…