のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

人は自分を正当化する生き物である。

人間はたとえ自分がどんなに間違っていても、

決して自分が悪いとは思いたがらないものだということがわかりかけてきた。

 

ビジネス書の名著に位置付けられる「人を動かす」の第一章に書かれている。

 

”人は自分が正しいと思い込む”呪縛は、

そういうもの、と理解した方がいい。

多かれ少なかれ、

誰しもが自分は正しいと思っていて、間違っているとは思っていない。

 

そう言うと、

いや!私は間違えを認めている。

と反論する人がいるかもしれないが、

自分が間違えを認めるとは、

裏返すと、

間違えを認めている自分は正しい、と思っているのと同じである。

 

歴史を紐解き数々の争いも、

自分たちは正しいとの信念に起因する。

戦争が起きる理由は様々あると思うが、

大体の場合は、どちらの側にも正義がある。

 

僕が過去に知り合った人でも、

自分が正しいと思う呪縛に嵌っていない人はいないように感じる。

(もちろん、自分も含めての事である)

過去の経験から、確かにそうだな、としか思えないのである。

 

脳科学の本を読んだ時、その考えが補足された。

幻覚についての脳内の動きである。

 

・ミクロの世界では幻覚は幻覚ではない。

→何故なら、実際の脳の働きは、実際に見えているのと同じであるから。

 

つまり、

・幻覚を見えている時の脳の動き

・実際に見えている時の脳の動き(幻覚ではない場合)

の区別が脳の動きを観察しただけではわからない。

幻覚が見えている本人の脳内では起きている現象は同じなのである。

 

ミクロ=本人

マクロ=周囲の人

で考えた時、

本人には幻覚を判断する材料が一切ないのである。

 

そう考えると、自分の脳内が導き出した結論について。

自分の中で否定するのは難しいのではないかと思ってしまう。

何故なら、脳内で自分が感知している事が世界の全てであるから。

実際には存在しないものですら脳内では実際に存在するかのように置き換えられるのだから。