村上春樹について
村上春樹を読むと、
大学時代がフラッシュバックする。
これは僕のあくまでも個人的な感慨であり、万人に共通するものではない。
ただ、2020年に33歳を迎えた大卒の男性からすると、
ある程度、共通する事かもしれないと思う。
それは、僕が大学時代に、
何かを成し遂げなければならないとの呪縛から逃れるための唯一の方法が読書であったからでもあるし、
逃れる場所として、"村上春樹"が一番心地良かったからでもある。
散りばめられたカッコいい比喩、
自分が別の次元に漂っているかのような没入感。
紡がれる言葉により広がる世界観は、
掴めそうで掴めない、雲のようなものである。
思い出す大学生の頃、「海辺のカフカ」を読んだ衝撃。
新型コロナウイルスの影響で、
家で過ごす時間が増えた。
それは大学生の時に、
僕自身を包んでいた空気感とすごく似ていて。
(共通しているのは時間があるって事)
だからなのかもしれないが、
僕は今、再び村上春樹の作品を読み漁っていて。
STAY HOMEの時間を好ましく感じている。
それは、
山道に迷って、途方に暮れた挙句、
見上げた空が満点の星空だったようなものであろうか。