マジックワード。 "一番大切なのは呼吸じゃ。"「呼吸の極意」
"一番大切なのは呼吸じゃ。"
何らかの道を究めた好々爺がそう語ると説得力を帯びる不思議な言葉である。
これは何ら道を究めていない人が言うと、カスカスの発泡スチロールみたいに軽い言葉になる。
僕は過去に一度、後輩に対し・・・
(ちょっと色気を出して、試しに。)
「あのな、文章で大切なのは呼吸だよ。」と、言ってみた事がある。
後輩は水揚げされて一ヶ月くらい経過した魚みたいな死んだ目をしていた。
やっぱり、この言葉は、何らかの道を究めた好々爺以外は似つかわしくないのだろうなぁ。
カスカスの発泡スチロールだったんだろうなぁ。
ただ、僕はいつかどこかで"大切なのは呼吸だよ。"との言葉をしたり顔で語ってみたかった。
・・・
そんな時、この本。
おや、そうか、そもそも呼吸を極めればいいんだ!!!
「呼吸の極意」
永田晟
呼吸が止まったら、人は死にます。
なのに、不思議なもので、無意識のうちに呼吸は続く。
寝ている最中に、呼吸器系がストライキを起こしたらどうしましょ。
そんな不思議を色々と解明していくれる。
キーワードは"自律神経を整える"である。
まず、自律神経とは何か?
一言で。
自分の意思とは関係なく、刺激や情報に反応して、体の機能をコントロールしている神経のこと。文字通り、自律している。
例えば、あなたがどれだけ強い気持ちで心臓を止めようと思っても、心臓は動きを止めない。
これは、自律神経が心臓の動きを司っているからである。
生命活動を維持する上で必要だからであろう。
心臓が動くのに、基本的に指示待ちであったら非常に困る。
自律神経とは、①交感神経、②副交感神経の二つがある。
①交感神経とは、興奮すると優位になる神経。
②副交感神経とは、リラックスすると優位になる神経。
シーソーのように、交感神経が優位になれば、副交感神経が抑制される。
逆もまた然り。
それぞれが逆の働きをすると覚えると良い。
交感神経は、エマージェンシー神経とも言われる。
極端な事を言うと、命に危険が差し迫った時、交感神経は優位になる。
その際、急を要さない体の働きは抑制される。
例えば、腸の動きが不活発になる。
(当たり前の話だが、ライオン襲われている人は、"むむっ、便意が、ちょっとトイレに。"などとはならない。)
リラックスするためには、副交感神経を優位にする必要がある。
そこで、重要になるのが呼吸だ。
前途の通り、自律神経とは、基本的に脳の指図を受けない。
だが、呼吸の影響は受けるのである。
これは何故か?
"命の危険が迫っているとき=逃げる=呼吸が激しくなる→交感神経が優位になる。"
のような一連の流れがあるから・・・
つまり、お互いに影響を受けやすい関係にあるからと解釈して良さそうだ。
※神経自体も呼吸中枢と近い位置にあるらしい。
逆に、息を吐く動作が副交感神経を優位にする。
本書において、20秒以上かけて息を吐くと良い、と紹介される。
とまあ、こんなような事が色々と書いてある。
あまり深く知る必要がないと思えば・・・
①呼吸は大事です。
②リラックスするために深呼吸をしましょう。(特に、息を吐く動作が大切です。)
との二点は覚えておいて欲しい。
個人的な意見だが、深呼吸できない人って、あんまカッコよくないよね。
"あいつなんか息苦しいな。"なんて言われたくないものね。