ウイルスに関する考察。
ウイルスに関する考察。
何冊か読んだ本により思うところあり。
前回もブログで触れたのだが。
ウイルスは哺乳類の進化にとって必要であった。
※読むのが面倒くさい人もいると思うのでまとめると。
哺乳類はウイルスの遺伝子を取り込む事で胎盤(母体と胎児を連絡する器官)を得たそうである。
胎盤とはなんぞやとピンとこない人のために引用。
たいばん【胎盤】
子宮の内壁にできる円板状の器官で、臍の緒(へそのお)で母体と赤ちゃんをつなぎます。
妊娠5週ごろから作られ始め、13週ごろ完成します。臍の緒を通じ、母体から赤ちゃんへ酸素や栄養を渡し、老廃物や二酸化炭素を母体へ送り返すなど、大切な役目を担います。
通常は子宮の上のほうにあります。この働きが落ちてしまうことを、胎盤機能不全と呼びます。
コトバンクから引用。
赤ちゃんを産む上で、重要なんだろうな、と思っていただければ幸いである。
ここでいう"進化にとって必要であった"とは、たまたま結果的にそうなっただけであろう。
つまり、哺乳類とウイルスが共同タッグを組んで、"よっしゃ、共同開発だ!"と進化しようとしたわけではない。
たまたまウイルスに感染した哺乳類の祖先が突然変異によって生物学的に優位な手段を手に入れたのにすぎない。
物騒な例えで申し訳ないが。
カッなって人を殺そうとした人は・・・
・手に鈍器を持っていれば、鈍器で殺すし。
・包丁が近くにあれば、包丁で殺すし。
・車に乗っていれば、轢き殺す。
要するに、手段が重要ではないって事。
同じように。
たまたまウイルスであっただけであり。
胎盤を手に入れる手段がウイルスでなくてはならなかったとの事はないと思う。
言ってしまえば。
"ウイルスと哺乳類が共存しなかった世界"は存在しないのである。
よって、哺乳類はウイルスがなければ胎盤を取得できなかったか?と言われると、"わからん"との回答になってしまう。
もしかすると、ウイルスが存在しなければ違う手段で胎盤を取得したかもしれない。
もしくは、違う機能を持っていた可能性だってある。
そう、何故、そんな事を考えたか?というと。
"哺乳類はウイルスによって胎盤を得たから、ウイルスだって必要なのさ!"との短絡的な考えに疑問を感じたからである。
この考え方は、"ウイルスは人間を害するから、すべて殲滅してしまえ!"との感覚に、実は似ている気がする。
言っている事はウイルス"擁護"・"排斥"で全く逆なのだが・・・
根本的に、短絡的である事が同じなのだろうなぁ。
1980年5月に世界根絶宣言をされた天然痘ウイルス。
例えば、この天然痘ウイルスが人類の進化において重要な役割を果たすかもしれない・・・。と僕が言ったとして、誰も否定できないのである。
天然痘ウイルスが突然変異して人類に取り込まれ、最強の免疫を手に入れました、みたいなね。
だからと言って、"500年後の人類のために天然痘ウイルスを蘇らせろ!!"等と主張したら、ただのバカだと思われる。
そこらへんの事を考え込んでいると、結局、"なるようにしかならない"としかいいようがない。
ウイルスにやられた時も、"0.00000000000000000001%の可能性で、ウイルスが突然変異して最強の進化を遂げるかも"と思えば、少し気も楽になるかもしれない、と思った。