意思決定のプロセスを紐解くと、ハッとする事ばかり。
我々の脳は自分の意思決定を正当化する事は巧く。
意思決定のプロセスは論理的ではない。
人は相対的な比較が大好きである、との指摘。
更に言うならば、相対性なくして人はジャッジできないものであると。
相対性こそが、判断の拠り所である。
相対性とは?
簡単に言えば、比較対象がある、との意味である。
比較とは、非常に分かりやすい評価基準であり。
例えば、
牛肉と豚肉を比較して優劣をつけろ、と言われれば検討可能である。
(もちろん好みにもよる)
ただし、牛肉と掃除機を比較しろ、と言われると、人々は"???"となる。
比較対象ではない、からである。
お腹が減っていれば、牛肉が良いし。
部屋が汚れていれば、掃除機が望ましい。
そう言う意味で、比較対象にないもの、はジャッジが難しい。
逆に、比較対象があるものはジャッジが簡単である。
そうなると、
比較対象がある = ジャッジができる、との解釈はよくわかる。
例えば、Aと Aと似た性質を持つ A'であれば、人々は好みによって優劣をつける事ができる。
具体的に、
神戸牛とアメリカ牛どちらを買いますか?との問いに。
・神戸牛は高いけど、美味しい
・アメリカ牛は安いけど・・・
と同じ土台での比較になり、時々に応じた優劣をつける事が可能である。
だが、掃除機との比較であれば。
いやいや、比べるのがおかしいっすよ、と誰しもが言うであろう。
と、ここまで語った上で、非常に面白い行動経済学の考え方を紹介する。
①A
②Aと似た性質を持つ A'
③Aとは似ても似つかないB = A'とも性質が異なる
の① ② ③を比較して優劣をつけるとする。
その上で、前提を
・A > A'である
・A と Bは性質が違って本来、比較対象にならない
とした場合。
下記のような思考回路が回る。
・A > A'である
→Aは少なくてもA'よりは優れている
・BはAとは比較対象にならない
・なので、AとBの優劣は不明瞭である
・ただし、A > A'は確実である
・AはBより優れているかわからないけれど、ジャッジできる範囲ではAは優れていると判断するに値する
・A > Bに論理的な確証はないけれど
・A > Bと判断する事にしよう
これが意思決定のプロセスに関して、ハッとする事が多く。
上記の内容を絵空事と思うならば、下記の本を読んで欲しい。
実験結果も含めて納得させてくれるに違いない。
「予想通りに不合理」
〜行動経済学が明かす 「あなたがそれを選ぶわけ」〜
ダン・アリエリー