のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

酒は純米、燗ならなお良し

日本酒について語る。

 

純米を強烈に推す。

冒頭に

"酒は純米、燗ならなお良し "との一文あり。

これは筆者の酒に対する熱い想いを見事にまとめている。

 

僕は、今まで燗を飲む習慣がなかったが。

本書を読んで、徳利を買いに走った。

人を行動に陥れる文章は、最高の賛辞を受けるべきである。

書評であれば、本を買いたくなるようなものが良い。

 

無論、好みはあり。

純米の日本酒も、燗も。

 

ただ、熱が高い方から低い方へと移動するのと同じ原理で。

本書を読めば、感化される気持ちもわかる。 

 

日本酒好きにはお勧めできる本。

内容もさることながら。

筆者に対する日本酒への愛が滲み出ている点が実に良い。

 

日本酒は全く飲めない人は興味ないかも知れぬが。

 

純米酒を極める」

上原浩

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日本酒とは

・水

・米

のみで本来つくられるお酒である。

お米だけなので"純米"。

実にわかりやすい。

 

ただ、水とお米だけでは、不味いお粥である。

大切なのはアルコール分。

 

では、水とお米でどうやってアルコールが醸造されるか?

発酵の力である。

 

つまり、

微生物である酵母ブドウ糖などの糖分を食べて(分解して)エネルギーを得る過程で炭酸ガスとアルコール分を出す営み

を利用する。

 

余談だが。

この微生物にとっての排泄物を人間がとてもとてもありがたがって飲んでいる点は結構おもしろい事だと思う。

酒に人類は踊らされており。

具体例は一切なくても、酒がこの世になければ歴史が変わっていたに違いない、と断言できる。

 

お米が発酵すると日本酒になる。

 

じゃあ、純米以外の日本酒とはなんだ?との話になるが。

アルコールを添加するかどうか?の違いである。

 

つまり、

・お米を発酵させた力だけでアルコール分を産み出すか。

・アルコール分を別の形で添加してしまうか。

の違い。

 

無論、後者の方が製造工程が楽であり、コストも安く済む。

 

あらゆる分野において共通する事であると思うが。

手塩にかけて育てると美味しいものが出来上がります。

お酒も同じ。

手間をかけてでも純米のみで醸造する日本酒が好き、と筆者は主張する。

 

古い川柳に曰く。

 

酒も煙草も女もやめて、百まで生きたバカがいる

 

私は真っ平ご免である。

 

と書くような、飲んべえが語る日本酒についての本。

語り口に滲む想いの強さが実に良い。

今まで読んだ日本酒本の中で一番良い。

 

最後に個人的な日本酒に関する印象を。

偏見に満ち満ちた意見であるが。

 

僕の女性観で

日本酒が好きな女性は何だか魅力を感じてしまう。

 

・ビール好きは、雑種。

・ワイン好きは、お高くとまっている。

・焼酎好きは、男勝り。

ウイスキー好きは、見た事ない(珍種)。

 

日本酒好きだけは、なんだかドキッとしてしまう。

和の装いが色っぽい雰囲気を纏うのかしらん。