のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

高い所は嫌い、でもボルダリングは好きだ。

ボルダリングに挑戦した時の事を書く。

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元来、僕は、位置エネルギーを活用する営みがあまり好きではない。

・学校のスキー教室だって"風邪で欠席"。

・学生時代のスノボー祭りは"お断り申し上げ"。

・遊園地は牽制球投げまくり、好きではないアピールを繰り返す。

・・・

一言で。

高い所が好きではない。

理由は簡単。

落下時を想定した時のリスクを考察した結果である。

位置エネルギーは高まれば高まる程リスクが増大するもの。

 

僕はまだランドセルも背負わないような幼子の頃より高い所のリスクに気づいていた。

(その点、慧眼と言うべきであろう。)

 

例を挙げれば、幼少期。

消防署イベントで、消防車のはしご車に乗せられた事がある。

親曰く、"生まれたての子鹿以上に足がガクガクしていた"との事。

その時点から僕は"なさけない奴"のレッテルを貼られたようなのだが。

(小学生だったら、子鹿、子鹿の大合唱が始まっていたかもね。)

 

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※その時の写真ではありません。

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※これ以上にガクガクしてた?!

 

僕から言わせれば。

何故、火事でもないのにリスクを背負わなければならないんだぁ!!!との悲痛な叫びを"生まれたての子鹿のガクガク風に"で表現しただけである。

決して、怖かったのでない。

 

そんなわけで、極力、位置エネルギーの変動を避けた人生を送ってきた。

人生の平均位置エネルギーの分布図みたいなものがあったら日本人平均を下回っている自信がある。

なお、閉じられた空間なら高い所も大丈夫なので不便はない。

住処も4Fだし、飛行機もOK。スカイツリーだって登った事ありますよ。

 

と、そんな僕がボルダリングたるものに挑戦したのである。

(何らかの強制力が働いた結果である事はご察ししていただけるだろう。)

 

最終的に何事も挑戦だなとの気持ちでトライ。

結論的に結構面白いじゃん、との思い。

 

2回しか行っていない初心者目線だがボルダリングとは・・・

身体を使った垂直方向の知的パズルである。

と定義する。

 

ご存知の通り、カラフルなブロックを掴んで上に行くのが目的のボルダリング

重要なのは、パワー?体幹

いや、まずはイメージトレーニングです。

 

ゴールまで上がるために色々なルートがあるわけですよ。

基本的に同じ色のブロックしか掴んではいけない。

地上でルートを確認し、イメトレが最重要。

やらねば位置エネルギーが高まった状態でプルプルしながら次のルートを探す羽目になる。

 

過去にスポーツをかじったような男だと。

とかく猪突猛進パワーで何とかしようとする傾向があるが。

いたずらにスタミナを奪われるばかりである。

とにかく、先に考える事が肝要。

"ここをギュッと掴んで、フッと力を抜いて、スラッと体重を移動し、グィンと伸ばす!"

このイメトレが落下を未然に防ぐのである。

頭の使い方がパズルをやっているような感覚。

 

道具はレンタル可能。

初心者でも楽しめる点が高評価。

程々の疲れは気持ちよく。

最近、流行っているのは頷ける。

 

ただ、一つ追記しておくと。

僕が楽しかったのは5m程度の高さ限定である。

 

15m程の高さでロープを装着して登るエリアも半強制で登らせられて・・・。

結果は語るまでもない。

僕の中の"生まれたての子鹿魂"が咆哮していましたよ。

シンゴジラに負けじ劣らず激しくね・・。

社会人なので魂の咆哮だけで済みました。

 

もしよかったらみなさんどうぞ。

2017年にやりたいこと

今週のお題「2017年にやりたいこと」

 

2017年の始まりである。

あれよあれよと言う間もなく2016年が終わってしまった。

 

僕は2016年8月頃から一人暮らしを始めたので。

初めてのワンマン年越しとなった。

実家に帰ろうと思えば帰れたが・・・

一人で年を越す経験もありかなと思い、ジッと貝のように家に閉じこもっていた。

(今後、飽きる程に経験する可能性もあるが・・・)

 

結論。

しめやかな年越しであった。

 

声を出したと言えば、紅白歌合戦でガッキーが逃げ恥ダンスを少しだけ踊ってくれた瞬間ぐらいなもの。

・・・

しんみり、しっとり。

・・・

一人で年越し蕎麦を食べる気にもならず。

儀式とは、あくまで人が周りに居て成立すると改めて認識する。

 

オンザロックウイスキーが必然性のないタイミングでカランと乾いた音を立てて・・・

23:50ぐらいで力尽きて寝た。

 

朝の目覚めは実にいい感じだったが。

来年もこんな感じだったら実家帰ろう、と思う今日この頃です。

 

さて。

2017年にやりたい事。

 

①読書、漫画、映画はできるだけブログで発信したい。

ブログを始めた理由でもあるが。

記事にすると記憶に残る。

記憶に残したいから書いているわけではないが。

書くためにあれこれ考えている内に作品に対する味わいが増す感じがする。

 

とかく、作品の面白さを上手く人に伝えたい、大学生以来の我が願望である。

"どうだった?"と言われて。

"良かったよ"と語る自分を許してはならぬ。

何が良かったかを語れ。

それだけでお酒を何杯でもイケる程に。

 

②運動しましょう。

土日はランニングとの習慣はもう10年以上続いている。

そんな話をすると「ストイック」だと言われるが。

人間、そういうものだと思えば、習慣となるものである。

走らないと逆にもぞもぞする。

 

加えて、2016年からフットサル熱が再燃。

2016年は月1回のペース。

年末には"個サル"に突撃できたのでレパートリーが広がった。

 

ボルダリングを始めたのも去年から。

つまみ食い程度にトライしたい。

僕自身は高所恐怖症気味なんですが、意外と楽しい。

高い所は拷問のようでしたが。

 

後、筋トレ。

これが、まぁ続かない。

毎回、いざ行かん、と思うのだが。

ウサギとカメのウサギより飽きっぽい。

そろそろ、しっかりと。

 

③笑っていられれば何でもいいや

何だかんだ、土台はこれ。

仕事でも、プライベートでも。

とにかくバカバカしい事を楽しくやっていきたい。

くだらない日常を笑いに。

 

④しっかりする

整理整頓しましょう。

必要ないものは買わない事。

地球の周囲を回る月のように、永遠に切り離せない課題。

 

後、今まで通り料理を楽しむ事。

新しいレシピを積極的に取り入れる。

失敗してもいいじゃないの。どうせ自分で食べるんだから。

 

⑤人と会う事を大切に

何だかんだ、人と会うのは大事。

新しい出会いも含め。

昔の友人も大切に。

実家にもならべく帰る事。

 

つらつらと書くとこんな感じである。

推敲せずに綴ったのでまとまりを失ったが。

自分の気持ちに素直な抱負になった気がする。

漫画「ちはやふる」 万人におすすめできる少女漫画

漫画「ちはやふる

be-love.jp

 

まだ15巻ほどしか読んでいないが、実に良い。

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万人に勧められる少女漫画。

男が読んで面白い少女漫画は絶品。

のだめカンタービレ」「ちびまる子ちゃん」と並ぶ傑作の予感。

 

1巻のあらすじを引用。

まだ“情熱”って言葉さえ知らない、小学校6年生の千早。
そんな彼女が出会ったのは、福井からやってきた転校生・新。

大人しくて無口な新だったが、彼には意外な特技があった。

それは、小倉百人一首競技かるた。

千早は、誰よりも速く誰よりも夢中に札を払う新の姿に衝撃を受ける。

しかし、そんな新を釘付けにしたのは千早のずば抜けた「才能」だった……。
まぶしいほどに一途な思いが交差する青春ストーリー、いよいよ開幕!!

 

 

題材は、かるた、百人一首

競技かるたの話である。

高校を舞台とする青春物語。(少なくても今の所)

要するに、競技かるたの青春物語。

 

主人公は女の子。

ヒロイン綾瀬千早。

超絶美人なのだけど、かるたの事しか考えていない女の子。

容姿端麗。

街で会ったら振り向かれるレベルなのだけど。

動いたり話したりすると台無しになるので、周囲から「無駄美人」と呼ばれる設定。

(正直、可愛くてしょうがないけどね。)

 

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"絵面が可愛い女の子がモテない設定"って結構多い気もするが。

男心をくすぐるものです。

 

ヒロイン綾瀬千早の"まっすぐさ"が実に気持ち良い。

とにかく瑞々しい。

例えるなら、"いろはすのCMぐらい水感"がある。

そのまま"いろはすのCM"に出演できる。

採れたてのフルーツを食べた時に、ああ、生きている!!!と思うあの感じがある。

 

僕の漫画に対する考え方の一つ。

ヒロインの魅力があれば漫画は大体楽しい。

その点「ちはやふる」はずば抜けている。

 

題材が百人一首であるのも注目を集める理由の一つだろう。

 

多くの日本人が義務教育として勉強した百人一首

僕の記憶では、百人一首は暗記テストの一環だったような気がする。

(そこら辺の暗記教育はあらゆるものの文化的側面を奪っているように思う。)

本作は百人一首の魅力を再度、読者に問いかけてくれる。

 

僕も何句か覚えたはずなのだが・・・

 

今記憶に残っているのは。

花の色は うつりにけりな いたづらに
   わが身世にふる ながめせしまに

である。

意味は、私の美貌も時と共に衰えてしまった的な女心であったはず。

女の人は、気持ちわかるわ〜と共感する人が多いみたいね。

(なぜ、共感しようのない僕はこの句だけ覚えているのか・・・?)

 

百人一首との、"義務教育の暗記モンスターに食べられてしまった日本文化の結晶"に再度スポットが当たったのは良い事ではないだろうか?

(はっきり言って、古典の授業で読ませた方がいいんじゃないの?とすら思った。)

"百人一首=暗記=つまらない"との構図をぶち破る素晴らしい漫画。

 

※畑違いの作品(ドロドロ系やバイオレンス系)が好きな人は別として。

青春系の漫画が好きならば誰でもおすすめできる。

まさに王道。

泣いて笑える青春漫画。

題材が"かるた"なのも良い。

 

追伸

若宮詩暢とのライバルが最高にいい味を出しています。

「武士道セブンティーン」武士道に燃える17歳女子を描いた作品。

本作は、武士道に燃える17歳女子を描いた作品

磯山香織と西荻早苗の剣道を巡る青春物語である。

 

「武士道セブンティーン」

誉田哲也

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あらすじを引用。

スポーツと剣道の、暴力と剣道の狭間で揺れる十七歳の剣道女子、柔の早苗と剛の香織。

2人は別々の場所から武士道の本質に迫っていく。

 

 

「強さは力」の香織と「お気楽不動心」の早苗。

対照的な相手から多くを吸収したふたりだったが、早苗は、家の事情で福岡の剣道強豪校に転入。

そこでの指導方法の違いに戸惑う。

一方、香織は後輩の育成に精を出す。

互いを思いつつも、すれ違うふたりは、目指す剣道に辿り着けるか。

大人気剣道青春小説、二本目。

 

"高校生時代、何の部活やってたんですか?"

僕が、誰かしらと二人きりになった時に切り出す必殺の質問である。

(天気の話よりも余程楽しい、と思う。)

部活はやってた人にとっては特別な体験なんだと思う。

 

僕自身はサッカー部だったので。

いわゆる球技系には親近感が湧く。

野球、バスケ、バレーボール辺りが該当。

自分で言うのも何だが。

サッカー部は部活の中で王道だと思う。

(強い or 弱い はさておき。)

 

一方で、剣道部ってどうなの?と考えると。

そもそも、僕の高校に剣道部があったのかどうか?すら定かではない。

一年前の今日は、晴れか?曇りか?ぐらい記憶にない。

 

これはもう確率論の問題だが。

①学年一の美男子 or 美女 が剣道部。

②あいつヤベェなと噂されるヤンキーが剣道部。

③クラスの過半数が剣道部。

・・・

などの問いを重ねると、何故、記憶にないかわかる。

(まぁ、恐れずに言うと・・・)

比較的、目立たないのである。

そもそも競技人口が少ないだろうし。

 

だが、本作を読むと。

部活は、どれだけ自分をつぎ込んだか?が肝要であると知る。

 

地味、派手ってどうでもよくて。

17歳たる青春のみなぎるパワーを一心不乱に注ぎ込んだプロセスが大切なのである。

 

磯山香織と西荻早苗の二人は・・・

そりゃもう、青春してますよ。

剣道に賭けていますよ。

剣の道で、泣いて笑って戦って。

全力疾走、渾身の力でぶつかっています。

(時にエアーバックが作動しない事もあろうけど。)

剣の道で友人を得て。

ライバルと戦い。

時に、涙する。

 

そもそも、"青春×部活"ってのは数々の名作を生んでいるのは言うまでもなく。

その魅力を今更語るのは憚られる。

※鳥の唐揚げって美味しいよね!!!と30歳になって語るようなモノだ。

 

ただ、加えて言うなら、題材がニッチだと、余計に面白い。

使い古されていない感じがいいんだよね。

例を挙げると・・・

ウォーターボーイズ(題材 シンクロナイズドスイミング)

ちはやふる(題材 百人一首)

この作品で知って始めようと思いました!!!系である。

「武士道セブンティーン」もその域に達している。

主人公が女の子ってのも魅力。

娘ができたら読ませたいです。

 

僕の好きなシーン。

冒頭に磯山香織が西荻早苗に対して心の内でとある決意をする。

西荻西荻、キサマという奴は。

そしてあたしは誓った。

西荻。次に会ったとき、あたしはお前を、必ず、斬る。

 

 ・・・

17歳です。

本作、全編を通してこの類のユーモアに溢れている。

キャラクターとしての磯山香織が秀逸。

シュールで自嘲気味ながら、愛すべきキャラクターである。

 

ホント、青春って、良いものです。

ジャケットの青色も鮮やかでみずみずしい。

こんな子供に育ってほしいな、とも思いました。

 

追伸

僕は間違えてセブンティーンから読んでしまいましたが。

シックスティーンがありますのでお気をつけ下さい。

 

 

 

 

 

「悪の経典」 あくまでもエンターテイメントとして。

2016年8月に一人暮らし開始。

同時にあまり本が読めなくなった。

 

原因は通勤時間の短縮。

絶対的な読書時間として確保されていた往復4時間がなくなり。

余剰分の時間は家事と姿を変えた。

本を読んでいると、どうも部屋の汚れが気になってしまう。

霧吹きで吐き出されたのように集中力が霧散する。

(要するに、生活が安定していなかっただけ。)

 

・・・

そんな中。

ぐいっと、心を本の世界に引き込まれる作品に出会った。

・出会ったのが、クリスマスイブ。

・本の世界から脱出したのがクリスマス。

二日で上下巻を読み終えたのも久しぶり。

クリスマスから程遠い内容だったが、まぁ良しとしよう。

 

悪の教典

貴志祐介

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あらすじを引用。

晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。

しかし彼は、邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。

学校という性善説に基づくシステムに、サイコパスが紛れこんだとき―。

ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。

 

学園系戦慄のサイコパスホラーである。

かなり度数高めの・・・

読み終わって思ったが、クリスマスに読むものではない。

(夢中すぎてクリスマスである事も忘れたが。)

 

転がり続ける雪だるまみたいな小説で。

・最初はよいしょと転がしていたはずなのに。

・最終的に、手のつけられない雪だるまモンスター化する。

ストーリーが後戻りできない時点まで進行した時。

もはや夢中、一気呵成で読みたくなる。


怖くて眠れない類ではない。

非現実的と捉える人の方が多いだろうから。

 

先に言っておくが、残酷な話である。

映画化した際、元AKB48大島優子さんが「この映画嫌い」と発言した事で話題になりましたね。

(詳しくは知りませんが。)

楽しい話ではない事は想像がつくだろう。

お花畑でランランラン、的な話を好む人は読まない方がいい。

 

本書は、蓮実聖司たるサイコパス教師を描いた作品である。

ネタバレしない範囲で。

蓮実聖司とは、"邪魔者を殺す事に一切ためらいのない男"なのである。

 ※ただ、外面はカッコよくて、頭も良い、生徒に大人気の教師。

そんな男が教師をやっているとどうなるか?

生意気な生徒がいたら?

(この先は読んでのお楽しみ)

 

ただ、注意して欲しいのは、殺し自体を快楽としていない事。

いわゆる、猟奇殺人犯的な類ではない。

 

例えば、あなたが、"あの上司さえいなければ出世できるのにな〜"と思っていたとする。

普通の人は殺さない。(当たり前)

蓮実聖司はためらいもなく殺す。

本作の肝は、これに尽きる。

ちょっと生意気な生徒がいると・・・

(この先は読んでのお楽しみ)

 

文庫で読んだので、上・下巻。

前半と後半で少々趣が異なる、と感じた。

 

抽象的に表現するならば。

・前半は、名軍師 諸葛亮孔明が知略を尽くして精緻な計画を立てた。

・後半は、もうめんどくさい!!!全軍突撃〜!!!的な行動に出る。

全軍突撃について。

(読んだ人は意味がわかると思う。)

(粗い、強引だ、と表現する人がいる気持ちはわかる。)

 

ただ、僕自身が思ったのは、本作はあくまで、ミステリーエンターテイメント

である事。

小説を読んだ限り、「感情移入して涙を流し、この小説嫌いです・・・」と言いたくなるシロモノではない。

前半と後半の逆転も含めて、楽しめばええんでねーの?と思ってしまう。

フラグが回収されたり、されなかったり。

展開が面白いのが本書の魅力。

 

考え抜かれた仕掛けの多いお化け屋敷が、突如として恐怖のジェットコースターに変わります。

そんな楽しみ方ができる一冊。

 

※個人的に。どうせ、やるなら完全なる悪を描いて欲しかった気もするが・・・

漫画 「orange」〜登場人物がみんなFacebookやってそう!!!〜

いわゆる、胸キュン漫画である。

 

同じ穴のムジナで思いついたのは漫画「君に届け」である。

昔、女友達から「これ読んで女心を学びなさい。」と渡された。

これがまたキュンキュン街道まっしぐら。

新幹線の速度で突き進む。

学びよりも、ただキュンキュンが超越した。

あのレベルは一種の罪悪感みたいなものがよぎる。

(借りている途中、エロ本が見つかるより恥ずかしい気がして部屋の奥底に隠しておいた。)

 

男が、少女漫画を読むってのは結構勇気がいる事で。

昔を思えば、図書館に通った幼少期。

唯一、少女漫画のテリトリーに足を踏み入れる事ができたのは「ちびまるこちゃん」だった。

(それでも、借りるときちょっとドキドキした。)

 

そんな僕も・・・

今や、堂々と胸キュン漫画を手に取る事ができます。

若者よ、これが大人になるという事だ!!!

(ただ単に、恥じらいをどこかに棄ててきただけ)

 

「orange」

高野 苺

 

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それにしても、主人公の菜穂ちゃんが、かわいいんだこれまた。

自分の事を可愛いと気づいていない系。 

(直感的に思ったのは、こりゃ女の敵をつくるタイプ・・・?)

 

話題作が故、読んでみました。

結論。

この漫画は、結構、人を選ぶと思います。

僕は楽しめましたけどね。

 

あらすじを引用。

現役高校生でデビューを果たし、10年間女子中高生から絶大な人気を得続けている高野苺の本格SFストーリー。

少女漫画ファンのみならず幅広い男性・女性漫画読みからも絶賛の声多数!!

第一巻は、集英社版1巻に加え、単行本未収録の読み切り作品が1話掲載される。

高校二年生の菜穂に届いた未来からの手紙。

そこには未来の自分の後悔がつづられていた。

はたして菜穂は手紙を読み「後悔しない未来」を作ることができるのか?

切ない思いが交錯するタイムパラドックスラブストーリー。 

 

本作の魅力は、一つは絵である。

その点、まず、満足。

これが大前提。

こういう絵、好きなんすよ。

 

その上で、ストーリーまで考えた時。

「いやいやいや」と毒を吐く人はいる、と思う。

王道感がハンパないんすよ。

白馬にまたがった王子様が馬術大会を開いているレベル。

(あくまで、少女漫画に接してこなかった男子の目線で)

 

なので、絵が好き×恋愛王道ストーリーを楽しめる人、は鉄板である。

※僕は、恋愛王道ストーリーに対してアレルギー反応を示す程ではないので十分楽しめた。

 

今風に表現するなら・・・

登場人物がみんなFacebookやってそう!!!なんすよ。

そして、各イベントごとに楽しそうな写真をUPする感じ。

体育祭やら、初詣やら、バレンタインデーやら。

もう青春王道まっしぐら。

飛行機並みのスピードで突き進む。

・・・

そういう感じが嫌いな人はオススメできないかもしれない。

 

ただ・・・

思った事として。

こういう漫画を素直に楽しめる人生を送りたいものですよ、と思いました。

青春仲良し男女6人組って、一つの理想型。

 

「君の名は。」

君の名は。

 

今年の流行り映画は、「シンゴジラ」と「君の名は。」であろう。

珍しく二つとも映画館で観た。

「シンゴジラ」は以前に触れたので。

今回は「君の名は。」について。

 

予備知識なし。

知人の"観たい"に応え「まぁ、行ってみるか。」程度の気持ちであったが。

いざ、観てみると、かなり良かった。

流行る理由がわかる。

オススメである。

 


「君の名は。」予告

 

アニメ作品の最高峰と思える映像美。

精緻に描かれた世界観にRADWIMPSの音楽が疾走感を生む。

・・・

確かに、若者感はある。

今の流行り感はあるのだけど。

・・・

うわぁ、すげえな・・・との超越的な感情が勝る。

老若男女楽しめると思いますよ。

(見方はそれぞれあるとしても。)

ストーリーに感動するしないは好みによるとは思うが。

アニメのクオリティは、誰が見ても間違い無い。

 

ストーリーは、男女が入れ替わる系の話。

「赤い糸ファンタジー」と評していた人がいたが。

まさにその通りだと思う。

 

入れ替わる二人は。

三葉ちゃんと瀧くん、である。

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(とにかく絵が綺麗)

 

出逢うはずのない二人であり、運命の二人である。

 

「ずっと何かを探している・・・」

劇中の言葉が印象に残る。

 

本作、純粋な恋愛物語としても観れるのだけど。

「ずっと何かを探している・・・」

「何を探しているかはわからなくても、絶対にどこかにある大切な何かを探している・・・」

この物語の根底にある赤い糸感が、心を高揚させるのですよ。

 

僕はもう20代後半。

元々、赤い糸みたいな運命的なものを信じるタイプではないのだけど。

それでも、この赤い糸感は、心のどこかに潜んでいる気がした。

 

恋人に限った話ではなく。

友人でも、同僚でも。

上司でも、先生でも。

更には、趣味であったり、職場でも、場所、国、なんでも良いのだけど。

どこかに自分の居場所・・・

本当に出会わなければならないもの・・・

一生をかけて見つけるべきもの・・・

その運命論は、生きる活力だと思うんだよね。

だって、みんな今以上の何か幸せなものがあると信じるから生きているんでしょ、と思う。

 

そして、この「何かを探している感じ」とは、歳をとり失われていくものである。

そして、喪失感みたいなものだけが残る。

無限の可能性が少なくなっていく感じ。

自分の限界を推し量るようになってしまう。

※その手の喪失感は村上春樹さんの小説でよく描かれる。

 

ただ、それでも。

だんだん喪われてもなお。

みんなどこかに赤い糸感を持っている。(と僕は思う。)

そして、その忘れていた赤い糸感を「君の名は。」は、手繰り寄せてくれる作品である。

そこが観終わった後の高揚感を生み出したのだと思う。

 

探しているから意味がある。

人生はそういうもの。