リレーの高揚感をそのままSF映画にしたような快感。「ローグワン」
リレーが好きである。
学生時代の運動会リレーでは、がんばれがんばれと地味ながら囃し立てるタイプ。
アンカーまでバトンを渡す。
この"バトンに思いを託す"的な一連の流れが実に良い。
速い人も遅い人も、みんな一生懸命に走るしね。
なお、僕自身はそこそこ足が速かったので黄色い歓声に包まれた良い思い出。
ただし、クラスの速い人のみの選抜リレーだと、歯が立たない程度の速さ。
何度か選抜されてしまった結果。
のび太とスネ夫の前では威張ってたジャイアンが、プロレスラーに囲まれてしまったら借りてきた猫になりました、的な情けない思いをした事がある。
リレーの魅力と言えば。
バトンを次の走者に託す美しさ、であろう。
この点もはや語るまでもなく。
死に物狂いでつないだバトンをアンカーが"後は任せろ"と受け取るストーリーは感動の王道。
"託す美しさ"をシンプルに体現したものがリレーである。
さて、そんなリレーに似た美しさと疾走感のあるSF映画を紹介する。
まるでリレーの高揚感をそのままSF映画にしたような快感。
舞台は宇宙なんですけどね。
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」
命をかけてつないだものが希望となる。
繰り返すが。
本作を上手く表現するのは、リレーとの言葉だと思う。
上記に挙げたリレーの高揚感に似た楽しみがある。
本作。
スターウォーズのスピンオフ。
スターウォーズ エピソード4の直前の話である。
故に、観た事ある人は結末が大筋読めているのだが。
それでもなおドキドキする。
蜘蛛の糸ほどの可能性を手繰り寄せて・・・
仲間にバトンを渡し続ける姿に胸踊る。
あらすじを引用。
スター・ウォーズ最新作!『エピソード4/新たなる希望』の直前を描く、アナザー・ストーリーが誕生。
銀河全体を脅かす帝国軍の究極の兵器<デス・スター>。その設計図を奪うための反乱軍の極秘チーム<ロ―グ・ワン>に加わった女戦士ジンは、希望を取り戻すため、仲間と共に97.6%生還不可能なミッションに挑みながら、行方不明の父の謎に迫っていく…。
『エピソード4』の冒頭でレイア姫がR2-D2に託した<デス・スター>の設計図は、いかにして入手されたのか?
そこには、命を懸けたミッションに挑んだ名もなき反乱軍兵士たちの、誇り高き戦いのドラマが隠されていた…。
初めて描かれるキャラクターたちが繰り広げる新たな物語によって、スター・ウォーズの世界はさらにドラマティックに進化する!
いわゆる王道スターウォーズ感は低い。
ストレートなスターウォーズ好きからすると物足りない部分があるかも。
例えば、ライトセーバーの見せ場が少ないとか。
↓スターウォーズはこれだけが楽しみな人にはオススメできない。
なので、スターウォーズ古来のファンが王道スターウォーズを期待しすぎると、"ん?”となる。
ただ、ちょこちょことファンを喜ばす仕掛けもあるのでご安心を。
※ダースベイダーさんとかね。
スターウォーズを知らない人でも。
"デススターはとんでもない兵器である点"だけを予備知識に持っていけば楽しめると思う。
ラストに向かう疾走感と高揚感が魅力的。
まるでリレーみたいにね。
なお、本作。
登場人物が粒ぞろいなのも実に良い。