のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

「ハサミ男」〜思わず"え?"となるミステリーの傑作〜

まあ、つべこべ言わずに読んでみてよ、とオススメする作品。 

ミステリーの傑作。

 

ハサミ男

 

殊能将之

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ミステリーで明かして良いのは"誰かが死ぬ事"だけである。

それ以上の紹介は蛇足。

犯人を知ってしまったミステリーなんて魚がいない水族館のようなものである。

 

とはいえど、あらすじを引用。

 

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。

三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。

自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。

ハサミ男」は調査をはじめる。

精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。

 

本作を読むと、" え?"となる。

え?え?え?

"え?"の洪水である。

思わず声が出る・・・"え?"と。

※何が、"え?"なのかは読んでのお楽しみ。

 

僕は寝転がりながら本書を読んでいたのだけど。

途中で思わず座り直した。

背筋が伸びた。

衝撃のミステリー。

 

美少女を殺害してハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯 "ハサミ男"の話。

ただ、そこまでおどろおどろしい作品ではない。

人物描写の造形が深い作品でもない。

特に登場人物に共感するような事もない。

ただ、破壊力抜群の"え?"があなたを待ち受ける。

 

僕は、ミステリーの先を読むタイプではない。

気持ち良くスカーんと術中に嵌められる。

見事に嵌まらせていただきました。

 

小説の特性をここまで華麗に活かした作品は簡単に見つからない。

映画化されているようだが。

おそらく似て非なるものかと。

本作は、小説にしか成立し得ない技法で構成されたミステリーエンターテイメントである。

 

僕はミステリーが読みたい、と言う人には大抵「ハサミ男」を紹介する。

まあ、つべこべ言わずに読んでみてよ、と。

ド級の"え?"を保証する。