のらねこ日記

読書、映画、考え事など。色々なテーマを扱える人になりたいです。

2018-01-01から1年間の記事一覧

羊と鋼の森 名作にて。

僕には才能がない。 そう言ってしまうのは、いっそ楽だった。 でも、調律師に必要なのは、才能じゃない。 少なくても、今の段階で必要なのは、才能じゃない。 そう思う事で自分を励ましてきた。 才能という言葉で紛らわせてはいけない。 あきらめる口実に使…

「本屋さんのダイアナ」

大好きな人が自分と同じものを好きだった時。 なんでこんなに嬉しい気持ちになるのだろう。 ・・・ 大好きな人と大好きなものの話をすると。 なんでこんなに幸せな気持ちになるのだろう。 ピンク色の装丁にも影響されて。 桜のようにキュートで切ない・・・ …

「鍵のない夢を見る」辻村深月

「鍵のない夢を見る」 辻村深月 本作は短編集であり。 その中の一編である「君本家の誘拐」を紹介したい。 子を持つ母親の話。 手にとっていたヘアゴムを棚に戻し、ふっと横を見るとベビーカーがなかった。 え、と後ろを振り返る。そこにもない。 との書き出…

「盲目的な恋と友情」〜主観はいつだって真実の正しい物語〜

恋と友情は人生を彩る。 とても美しく。 しかし、時に、狂おしく歪んだものになる。 恋と友情はいつだって人生の主役だが。 全てが美しい物語とは限らない。 「盲目的な恋と友情」 辻村深月 あらすじを引用。 タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花は自身の美貌…

「英雄の書」は"物語"の物語である。

"物語" さまざまの事柄について話すこと。語り合うこと。また、その内容。 世の中には色々な物語があって。 悪しきも、逆も然り。 そして、人はどんな時だって物語を求める。 もしくは、物語を求めて生き続けた。 小説に限った事ではなく。 映画はもちろん、…

本屋に行くのは楽しい事です。

本屋に行くのは楽しい事です。 個々人の趣味に影響されるのは当たり前の話だが。 僕自身は本屋に行くのが楽しいと思うのです。 本屋に足を運ばない理由はインターネットの通販であろう。 この問題は本屋に限ることではない。 何を買うにしたって"足を運ぶ面…

「猫鳴り」沼田まほかる

水中に沈められた文鎮のように。 心の中に残る。 異物として底に落ち、動かなくなる。 ・・・ 小説を読んだ感想である。 「猫鳴り」 沼田まほかる 沼田まほかるさんの作品は「ユリゴゴロ」に続き、二作目。 冒頭の感想は「ユリゴゴロ」でも同種の事を感じた…

「悲嘆の門」

宮部みゆきさんは"優れたストーリーテラー"である。 ストーリーテラー 話のじょうずな人。 特に、筋の運びのおもしろさで読者をひきつける小説家。 先を読まずにはいられない作品を次々と生み出す。 高校時代に図書館で宮部みゆきさんの作品を片っ端から借り…

「蝿の王」

もう10年前に読んだ作品。 衝撃的作品、と言っていいと思う。 "すごく面白いから読んでみなよ!!!"と紹介できる作品ではない。 だが、僕にとっては・・・ 読書たる行為が強烈に精神を揺さぶるものである、と、思い知らされた作品の一つである。 大まかに語る…